オウンドメディアは「中庭」だった?成功事例からスタディー

オウンドメディアは「中庭」だった?成功事例からスタディー

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インターネットは現在、不可欠なインフラ。そのインターネットは元々とにかく合理的なものでした。ただ合理的だったインターネットは人の感情を動かすものになろうとしているのです。

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2010年以降、TwitterやFacebookといったSNSが台頭してきました。それによって、

  • SNSなどの「アーンドメディア」
  • 自社が発行する「オウンドメディア」
  • 広告の役割を果たす「ペイドメディア」

これら「トリプルメディア」の使い分けが重要になりました。これら「トリプルメディア」にはそれぞれ役割があります。

オウンドメディアは元々、自社パンフレットや広報誌、社内報といったものがありましたが、ここでは「ウェブオウンドメディア」について紹介していきます。

アーンドメディアは共感を得てファンを作る役割を担い、ペイドメディアには顧客の興味を引きつけ、オウンドメディアや商品・サービスそのものに誘導する役割が求められています。

SNSなどのアーンドメディアと自社が管理するオウンドメディアの役割とを組み合わせることで相乗効果が生まれやすく、効果的です。

そのため、2012年頃から自社が発行するメディア(オウンドメディア)の考え方が重要視されるようになってきました。

今回はオウンドメディアについて深めていきたいと思います。

オウンドメディアと一言でいっても種類は多数!

オウンドメディアと一言でいっても種類は多数!

オウンドメディアと聞いてどんなウェブページをイメージするでしょうか?

「企業コーポレートサイト」?
「商品サイト(サービス)」?

「コミュニティサイト」や「キュレーションメディア」など様々なサイトがイメージされるのではないでしょうか。

そう、オウンドメディアと一言で言っても、実に多くの種類があるのです。

そのため、オウンドメディアを運営しようと考えると、それぞれのメディアの特性に応じた対応が必要です。

オウンドメディアに必要な戦略とマネジメント

例えば、「SEO用のサテライトサイト」であればSEO戦略が必要になってきますし、「コミュニティ形成」が目的のサイトであればユーザーの声が双方向になる仕組みが必要になります。

「商品を販売している」サイトであれば、ウェブ上での決済システムが必要になり、「キュレーションメディア」なら第三者的視点が必要です。

このように、オウンドメディアを運営すると言っても、構築の仕方はもちろんのこと、企画やマネジメントが全く変わってくるのです。

では、オウンドメディアを運営しようと考えた場合、どのようなポイントを抑えれば良いのでしょうか。まずは、「どんなオウンドメディアを目指すのか」を決めることです。

どんな目的でオウンドメディアを活用したいのか、誰に何を伝えたいのか、どんなベネフィットを得られるのかを考えます。

オウンドメディアは、特性上ベネフィットや効果はそんなにすぐに得られるものではありません。中長期的な視点で見ていく必要があるので、あせらずにアップロードしていきましょう。

自社の情報発信だけをするのはオウンドメディアではない

また、自社メディアだからといって”自社の情報発信”をするだけではユーザーは見てくれません。

広告全般を始め、テレビ、新聞、雑誌などメディアと呼ばれる媒体は全てコミュニケーションツールです。

自社の情報という一方通行の発信だけでは、ユーザーのニーズを満たせませんし、誰も見なければメディアではなくただの自己満足のブログになってしまいます。

ユーザーを意識し、どんな人にどんな情報を届けたいのか、そしてそれらの人たちが楽しんでくれる情報発信の仕方や表現はどのようなものかを意識していく必要があります。

それが、「コンテンツマーケティング」というやつです。

現在、グーグルに代表される検索エンジンのアルゴリズムはコンテンツを重要視しています。更新頻度が高いことはもちろんですが、どれだけユーザーにとって有益な情報を提供しているかがポイントになっています。

コンテンツマーケティングを念頭においてオウンドメディアを運営していきましょう。

オウンドメディアは「中庭」みたいなもの!?

オウンドメディアは「中庭」みたいなもの!?

オウンドメディアの存在価値とはどのようなものでしょうか。

前述した「トリプルメディア」の役割をイメージすると、ペイドメディアやSNSなどのアーンドメディアを使ってオウンドメディアに誘引する形が見えてきます。

そう、オウンドメディアが中心にあるイメージです。オウンドメディアのポジションを例えると、中庭のようなものであると言えるでしょう。

真ん中に中庭(オウンドメディア)があり、その周辺にペイドメディアやSNSなどのアーンドメディアなど自社情報メディアがあるイメージです。

新聞などで取り上げてもらったパブリックリレーション(PR)も含まれるでしょう。

点と点を繋げる中庭の理論とは

これら周辺にあるメディアは単体では点でしかなく、中心にあるオウンドメディアを経由することで繋がることができます。

中庭も同様です。中庭だけあっても人は集まりませんが、周囲に人がいれば、中庭に出て誰かとコミュニケーションをする機会があったり、そこでイベントが行われたりするものです。

中庭があることで、そこに滞留する時間が長くなり、コミュニケーションが深まります。

中庭をイメージしてオウンドメディを作るとどうなるでしょうか?

中庭に訪れる人は、ホッと一息をついたり、誰かとあいさつを交わしたりすることが主な目的とあります。

そこにセールスマンが待ち受けていたらホッとするどころか、身構えて緊張してしまいますよね。なので、金銭を直接的な目的にしないほうが適切です。

中庭ですから、人がホッとするような雰囲気作りが大切です。

植物に囲まれ、ちょっと休めるようなベンチがあったら、ゆっくりとコミュニケーションが取れますね。

ペイドメディアやSNSなどのアーンドメディアから中庭(オウンドメディア)に訪れたユーザーが「またここに来よう」「また行きたい」と思わせるような雰囲気作りが大切です。

事例をご紹介!

事例をご紹介!

具体的なオウンドメディアの事例を3つご紹介しましょう。

1つ目はオウンドメディアの成功事例として有名だった「コカコーラパーク」

コカコーラパークでは、スロットマシンや宝探しなど数多くのコンテンツが無料で提供されており、さらにはポイントまでありました。

このオウンドメディアの目的は「リピーターの確保」でした。当初の目的通り、コカコーラパーク内に多くのユーザーが集まりました。また、SNSによる拡散も行われ、新規顧客も多数獲得するに至っています。

しかし、ユーザーの管理や新たなコンテンツの提供など運営費用がかかる割に、費用対効果が見えてこないという、オウンドメディアの運命である「見えない効果」によって2016年に閉鎖に追い込まれてしまいました。

2つ目の事例は、ニキビケアの「プロアクティブ」で有名な「ガシーレンカージャパン」が運営している「ニキペディア」です。

テレビCM主体から、対象年齢に合わせたWEB施策として、潜在顧客を引き出すことを目的にできました。最も特徴的なのは自社商品のセールスばかりでなく、「競合他社商品も徹底的に中立な立場で紹介」していることです。

「にきびに悩んでいる人」というターゲットが極めて明確であるという点、どんな人がどう検索して読みに来るのかを徹底的に追求してコンテンツを作成している点が功を奏し、結果、SEOとしても強力なメディアになって、月間40万PV以上の巨大メディアに成長しています。

3つ目の事例は、看護師シフト管理アプリ「ナスカレ」です。このメディアは看護師求人サイト「看護roo」が運営しています。

日本全国看護師不足で悩んでおり、看護師求人市場は、パイの奪い合いが熾烈な業界です。そこで「看護roo」は看護師が「自然と集まる」ことを目指したオウンドメディアを立ち上げました。

「ナスカレ」は、日頃忙しい看護師が悩んでいるシフトの管理や友達とのシフトの共有ができるという点が看護師にささり、ナース100万人以上が利用するという人気アプリとなりました。

利用レビューも1,500件以上あり、人気が人気を呼ぶ効果的な集客が行われるに至っています。看護師という職業の特性や自然拡散されやすい有効な施策であると評価されています。

成長が期待できるオウンドメディアの特徴は?

成長が期待できるオウンドメディアの特徴は?

オウンドメディアはマス媒体による広告効果が薄れたと言われる今の時代において、とても大切な役割を果たしています。そして今後成長が期待できるオウンドメディアには3つの特徴があります。

ユーザーにとって情報を渡り歩く中立な庭である事が必須

1つ目の特徴は「中立である」ということです。

中立であることで、自社の強みや他社の動向に詳しくなります。

先ほど紹介した「ニキペディア」もそうだったように、中立の立場でユーザーの課題解決を提案することで、

「自社商品を売りたいだけではないんだ」
「私たちの悩みに寄り添ってくれている」

という信頼関係が強まります。「ニキペディア」はその結果、巨大メディアへと成長を遂げました。

2つ目は「ユーザー目線である」ことです。

売り手(企業)目線ではなく買い手(ユーザー)目線でオウンドメディアを運営することで自分ごととして拡散される可能性が高まります。

ユーザー目線であることはSNSが発達した今の時代に非常に有効的です。

ただし、効果は目に見えにくいので、最初の事業計画づくりが重要となってきます。KPIは、PVやコンバージョン率など、できるだけ測定可能な指標を設定することをオススメします。

3つ目は「コンテンツ」で集客するという点です。

こちらも前述しましたが、グーグルなどの検索エンジンのアルゴリズムはコンテンツの質を重要視しています。

検索で上位表示されるという意味でもコンテンツの質は重要です。また、コンテンツで集客することで、広告集客でリーチできない潜在顧客が集まるという効果も期待できます。

今後成長が期待できるオウンドメディアを作るためには、なにわともあれ、「コンテンツマーケティング」が外せない必須項目ということです。

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