顧客がときめく!KGIにつながるKPI分析のストーリー提案
あなたの作った企画書/提案書、お決まりパターンになっていませんか?
身に覚えがあれば、この記事みることでお役立てるかもしられません。当記事は、広告代理店などでクライアントにアド戦略を提案する立場の人向けの内容です。マンネリ化した提案書の見直しの参考にしてください。
【あわせて読む】
●ターゲット具現化!ペルソナ設定は誰かひとりまで絞り込む
●高年収なWEBマーケターが「仕事以外」でやっていること
●マーケターの懐刀。アドテク三種の神器でネット広告のポテンシャル上昇
「営業」の仕事は、場数を踏んでいくと“慣れ”が生まれてきます。良い“慣れ”は、問題ありませんが、提案営業に自信を持ち始めてくると、提案書がテンプレート化してくるのです。
上手くいった提案書の使いまわしになってしまうことへのリスクになります。お決まりの「KPIを分解した」を提案すれば、「どのクライアントも納得する」という考えは、危険かもしれません。
KPIを指標にした提案の場合、一見、説得力のある論理的な提案と思われがちです。しかし、“クライアントがときめく”提案には、不十分ではないでしょうか?
つまり、KPI分析だけでは、数値の組み合わせだけの退屈な提案になってしまいがちなのです。当記事では、クライアントのハートをときめかせるKGIの「ストーリー提案方法」について解説していきます。
「とりあえず通用する無難な提案」から、クライアントがときめく「ウォンツを捉えた提案」のヒントになれば幸いです。
目次
顧客に提案したKPI分析は魅力的か?
あなたが提案したKPI分析は、実際の業務評価に活用できるデータとなっているでしょうか?クライアントの経営戦略に欠かせないKPI分析は、実際にクライアントの求める結果にコミットする必要があります。
さらに、KGIを目指すKPI分析で、クライアントに期待を確信に変える提案方法が求められるのです。ここで現状を振り返ってみましょう。あなたの提案書はどうでしょうか?
どこかで逃げ道を作っていないか?
あなたの提案書は、明確で現実的なデータに基づいて作られていますか?もしかしたら、的外れな統計や、結果に関係のないKPI分析で作られていないのでしょうか?
確かに提案書の説得力を増すデータの明確さと現実性は、重要な部分ですが、逃げ道を作れなくなるリスクもあるのです。
クライアントに向けた1枚の企画書を例に見ていきましょう。
クライアントのウェブサイト改善に向けて企画書を提案した場合、求める結果だけをアピールして、肝心な施策が曖昧になっている例です。つまり、逃げ道を作った提案書ですね。
KPI(Key Performance Indicator)を設定していないので、結果となるKGI(目標)を目指す戦術が明確になっていない企画書になっています。
重要業績評価指標となるKPIは、KGI(目標)に対して以下のポイントに沿って設定する必要があるのです。
- 明確性(Specific)
- 計量性(Measurable)
- 現実性(Achievable)
- 結果指向または関連性(Result-oriented or Relevant)
- 適時性(Time-bound)
クライアントを納得させる目標に向けた戦術レベルの評価指標の大事な点をもっとわかりやすく表現しましょう。
- 目標の到達までのプロセスのわかりやすさ
- 目標の到達までの数値が計れているか
- 目標まで現実的な取り組みか
- どれだけの成果がでるのか
- タイミング的にどうなのか
上記にあげた「目標に向けた戦術レベルの評価指標」を判断するポイントになります。KGI(主要かつ重要な業績目標達成)のために「プロセスの具体化」を深堀していくのが、KPIなのです。
最終目標を達成するために必要なプロセスを評価するための指標ともいえます。では、KPIとKGIの関係について見ていきましょう。
そのKPI、KGIとつながるの?
クライアントからすれば、コンサルタントに求める提案は、まさに「目標達成に確実にたどり着く指示書」です。肝心なことは、業界の常識や同ジャンルの企業の成功例で無難な提案書に仕上げてしまっては、クライアントに響かなくなります。
ちがった言い方をすれば、「そのKPIってそもそも設定したKGIにつながりますか?」って話です。
KPIは、KGIに到達するための細分化された「行動」「タスク」になります。明確で現実味のある業務レベルの具体的な活動指標です。
KGIは、不変の目標として置き、KPIは、細分化と深堀をして、より具体的な身近なタスクまで落とし込む必要があります。どこかで曖昧な表現になったままのKPIが存在すれば、それ以上の細分化は止まったままになるでしょう。さらに常に、KGIと並べて考えることをしないと、目標達成につながらないタスクを深堀していくこともあるのです。
たとえば、KGIを「今期の売上目標」にした場合、「前年比の何%アップの売上なのか?」設定します。
KGIに関しては、当期の目標になるので、一度設定したら変更はしません。続いて、「売上目標」に到達するために細分化した各要素を設定していきます。これが、KGIにつながるKPIの設定になるのです。
KPIは変化する戦術
KGIは、企業の土台となる目標になります。そのため、一度決めたら変更しないで期末まで実行し、結果を見ていく必要があるでしょう。
KPIは、業務レベルにおける具体的な目標設定です。
常に目標と照らし合わせて、活動やタスクに落とし込んでいきます。そのため、KPI分析は、具体的に細分化されていく必要があるのです。
このようにKPIは、設定したタスクを細分化して深堀して、目標達成を現実的に取り組めるレベルまで具体化します。たとえば、「売上目標」に対してのKPIは、内的要因だけではなく、外的要因でも状況が変わっていきます。
それだけに、KPIの設定では、柔軟な修正対応も求められるのです。つまり、目標に向かって状況に応じて縦横無尽に戦術を変えていくイメージですね。
そのためKPIは、具体的な数値を決めていかなければいけません。
- 量
- 質
- 時間
- コスト
- 進捗率
アクションごとに具体的な数値を明確にしていかなければ、途中でぼやけてきます。せっかくタスクを細分化しているのに、「どのくらいの量?」「いつまでに?」明確な数値でタスクを設定していくことが大事ですね。
- 量 = どのくらい?
- 質 = どの程度?
- 時間 = いつまで?
- コスト = いくら?
- 進捗率 = どれくらい?
KPIは、変化する戦術設定です。レスポンスの良い対応で、軸となる「目標」に向かって到達をめざしましょう。
KPIツリーにコンセプトとストーリーを盛り込む
KPI分析は、KGI(目標)に向けたアクション設定という点を理解いただけたでしょうか。
目標設定につながるプロセス評価指標を分析していくためにKPI分析では、ロジックツリーを使っていきます。ロジックツリーによる中心軸になる「KGI」から、上位の「KPI」を設定して、下位へ落とし込んでいく流れです。
この掘り下げたロジックツリーを「KPIツリー」といいます。では、KPIツリーで展開していくタスクは、どうしたらクライアントをときめかすことができるのでしょう。
それは、KPIツリーだけでは伝えきれない部分をストーリー展開で提案していく方法になります。KPIツリーは、目標に向けたタスクの論理的な展開になることから、教科書から引用した解決策でタスクを決めてしまう恐れがあるのです。
デザインのよい提案書でも、内容が抽象的で、クライアント独自の事情に特化した部分でなければ共感を受けてもらえませんよ。では、KPIツリーをどのように作っていけばいいのでしょうか?
ありきたりなロジックツリーだけではない!
ありきたりなロジックツリーだけのKPIツリーでは、クライアントはときめきません。
上記のようなKPIツリーの仕組みがあります。たとえば、「KGI」に目標を設定して、ありきたりなKPIを展開してみましょう。
ありきたりなロジックツリーとは、「売上目標」に対して「顧客数」と「顧客単価」を大枠のKPIに設定します。
次に「顧客」から「新規」「リピーター」と細分化していくのです。上記の図のKPI設定は、計算式に基づいて組み立てられます。
「売上高=年間顧客数×平均顧客単価×平均購入回数」
計算式に沿って、要素を分解すると、KPIの1階層目は3項目になるのです。
- 年間顧客数
- 平均顧客単価
- 平均購入回数
「年間顧客数=新規顧客数+リピーター数」
「平均顧客単価=商品単価+1回の平均購入個数」
このようにクライアントへ提案するKPI分析が、ありきたりなロジックツリーで数値の設定だけの場合、プロセスの物足りなさが浮き彫りになります。
KPIツリーによる数値は、明確になっていますが、実際にどのように取り組めばいいのでしょうか?
ロジックツリーだけでは、具体的なプロセスが見えてきません。ここで重要になってくるのが、コンセプトとストーリーの肉付けになるのです。
ストーリーのある解決策の提示
KPIツリーを軸にした提案書に、クライアントに伝わる「コンセプト」と「ストーリー」が必要になってきます。
コンセプトは、設定した目標以外でKPI分析する理由を明確にすることです。ストーリーは、物語の「起・承・転・結」の流れが一般的ですが、提案型のPREP法を使います。
「起・承・転・結」の流れは、映画やドラマの約2時間のストーリーでは、有効な組み立てになります。しかし、凝縮した時間でストーリー性を提案するには、PREP法が最も伝えやすいでしょう。
- P=Point(結論)
- R=Reason(理由)
- E=Example(事例、具体例)
- P=Point(結論を繰り返す)
PREP法の組み立てをKPIツリーと組み合わせると下記のようになります。
- 結論=「KGI(目標)」
- 理由=「KPI設定」
- 事例・具体例=「競合他社など比較・過去の成功事例・現状の変更点」
- 結論=「KGI(達成できる目標)」
つまり、ロジックツリーだけのKPIツリーだけでは、「結論」と「理由」だけの提案で終わってしまうのです。「結論」と「理由」だけで、クライアントのハートはときめくでしょうか?
実際にクライアントと会って、“かゆいところ”に手が届いてこそ「クライアントがときめく提案になります。
そこで、重要になってくるのが、「目標とのギャップの明確化」です。ギャップを埋めるための取り組みの明確化が、クライアントの現状になります。この「取り組みの明確化」をKPIツリーに「事例・具体例」として補足していく必要があるのです。
KPIツリーに「事例・具体例」をクライアントの状況に沿って補足することで、提案書にストーリー性を持たせることができるでしょう。
KPI分析と連動した提案書作成
KPI分析にストーリー性を持たせた提案書は、解決策の提示に実現性の高さを上乗せしてくれます。KPI分析と連動した提案書は、プレゼンテーションでの「提案のコツ」にもつながってくるでしょう。
つまり、KPIツリーだけの論理構造通りに伝えても、駄目な場合があるのです。「この提案内容で、相手の興味に沿っているのか?疑問に答えているのか?」KPI分析で論理的に明確にして、「事例と具体例」で現実性を高めていく提案書を作成しましょう。
それには、資料の前にコンセプトとストーリーも決めておく必要があります。それは、提案するためのストーリーです。提案するためのストーリーは、先ほども言ったとおり、コンセプトに沿った「事例と具体例」をKPIツリーと連動させた提案になります。
顧客に決定と共感をアンカリング
では、KPIツリーと連動したストーリー提案を作成するには、どのように進めていけばよいのでしょうか?
まずは、クライアントと同じ目線で、同じ方向を向いた情報共有が必要になります。Webマーケッターにありがちな「上から目線」では、クライアントの抱える「現状」を引き出すことは難しくなるでしょう。
何故かというと、対面で打ち合わせをしていると、どうしても「対顧客」というイメージがクライアントにもコンサル側にもアンカリングされてしまうからです。そこで、提案書を作る前のクライアントとの打ち合わせスタイルは、隣同士で同じ目線で状況を聞き出していくことが理想的ですね。
クライアントの「現実的な悩み」や「競合相手」、「過去の事例」などを同じ立場のような感覚で“アンカリング効果”により聞き出すことができます。
この対話面でのアンカリング効果により、クライアントに「共感」と「提案への決定」を同時に植え付けることができるのです。
ストーリー提案の先に見えるもの(まとめ)
顧客がときめく提案ストーリーの作成について、いかがだったでしょうか?単純なKPI分析による「目標設定」に“顧客目線”と“具体性”を盛り込んで、わかりやすいストーリー提案を提供できる参考になれば幸いです。
KPI分析は、ツリーの細分化が派生してKPIが多くなることもあります。すると、リソースの分散により、KPI分析だけでは、結果が出にくくなることもあるのです。逆にKPIが不足している場合も、課題分析不十分でKGIの達成に到達しないこともあるでしょう。
つまり、KPI分析だけを頼りに提案書を作るだけでは、クライアントの「かゆいところ」に届かない上辺だけの「営業」になってしまうのです。
このページを参考に、クライアントがときめくKPI分析連動のストーリー提案書が役に立つことを願っています。
ストーリー提案の先に見えてくるものは、クライアントとの信頼の構築です。クライアントの立場になった「聞き込み調査」のヒントになることでしょう。
【あわせて読む】
●ターゲット具現化!ペルソナ設定は誰かひとりまで絞り込む
●高年収なWEBマーケターが「仕事以外」でやっていること
●マーケターの懐刀。アドテク三種の神器でネット広告のポテンシャル上昇