アベンジャーズと共通するWEB戦略?WEBサイトの「プラネット化」とは?

アベンジャーズと共通するWEB戦略?WEBサイトの「プラネット化」とは?

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映画「アベンジャーズ」をご存知でしょうか?興行収入が2000億円を突破した、世界中で人気のヒーローアクション映画です。公開初週末ランキングでは2015年の『スターウォーズ/フォースの覚醒』を抜いて歴代1位を記録しました。

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そんな超人気映画とWEBマーケティングには意外な共通点あります。WEBマーケティングとアベンジャーズ、一見全く関係のないような2つの項目の接点と、WEBマーケティンングでの具体的な活用について解説していきたいと思います。

おさらい:アベンジャーズの公開戦略って?

アベンジャーズは

  • アイアンマン
  • ハルク
  • マイティ・ソー
  • キャプテン・アメリカ
  • アントマン
  • ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
  • ドクター・ストレンジ
  • スパイダーマン
  • ブラックパンサー

など、マーベルのそうそうたるヒーローたちが一堂に集結する、まさにマーベルオールスタームービーです。

これらのヒーローたちはそれぞれ単独で映画化されていますので、見たことのある映画もあるのではないでしょうか。アベンジャーズは、「いろんな人種が集う、強いアメリカ」をアピールするためのプロパガンダ映画などと言われたりもしていますが、子どもたちに夢を与え、世界中で人気があるという点は疑いようのない事実です。

マーベルの中には、もちろん人気のあるヒーローもいれば、人気がそれほどでもないヒーローもいます。映画の公開数にしても、『キャプテン・アメリカ』のようにシリーズ化しているヒーローもいれば、『ハルク』のようにまだ1本しか公開されていないヒーローもいます。

『アベンジャーズ』は、それらをぐるっとひとまとめにパッケージングすることでリデザインし、新たな付加価値を生み出すというビジネスモデルなのです。そのことから、『アベンジャーズ』はユニバース化のはしり映画とも言われています。映画のユニバース化とは、複数の作品をまたいで1つの世界観を表現する、言わばシリーズの集大成映画とも呼ばれるものです。

2020年公開予定の『ゴジラVSキングコング』や、往年の有名モンスター映画(フランケンシュタイン、透明人間など)を同一世界観の中でリメイクする映画の制作が発表されるなど、続々と作品のユニバース化が行われています。

アベンジャーズは、2008年公開の『アイアンマン』からユニバース化を企図して制作されており、『アベンジャーズ』はまさに集大成と言える映画なのです。このユニバース化は分散投資として考えると、WEB戦略と実に似通った部分があることがわかります。

まるでWEBサイト、アベンジャーズの優れた戦略とは

まるでWEBサイト、アベンジャーズの優れた戦略とは

シリーズの集大成である『アベンジャーズ』を中心に置くと、その周辺にそれぞれのヒーロー映画があるイメージを描くことができます。このイメージは『サテライトサイト』と同じと考えれば、WEBマーケティングとの共通点が見えてきます。サテライトサイトとは、メインとなるサイトの周りにあるサブ的な役割のWEBサイトのことです。

例えば、メインサイトがコスメ商品を売っているWEBサイトであれば、「肌のお悩みを集めた口コミサイト」を立ち上げて主サイトでカバーしきれていないキーワードを網羅するのがサテライトサイトの役割となります。

また、サテライトサイトは、SEO対策やターゲット層を拡大するのに効果があります。SEOに効果があると言っても、しっかり運用しなければかえってGoogleが禁止する衛星サイト、誘導ページ、ドアウェイページと認定され、ペナルティの対象になってしまうリスクがあります。

つまり、サテライトサイトといえども、しっかりとした品質で運営も行われていなければメインサイトへの悪影響もあるということです。

もう一度映画『アベンジャーズ』に戻ってみましょう。中心にある『アベンジャーズ』の周りに、各ヒーロー作品がサテライトサイトのように存在しているというのが、WEBとの共通点のように見えます。サテライトサイトも、サイト自体の品質や魅力がなければ集客効果は見込めません。

それぞれのサテライトコンテンツ(ヒーロー映画)自体にも魅力があるからこそ、メインサイトへお客さんが流入してくるのです。最初からサテライトコンテンツだからと品質もそこそこに、運営も適当にだと、『アベンジャーズ』としてユニバース化させる際に、サテライトコンテンツの悪い評判が尾を引いて集客に大きな影響を受けてしまいます。

もちろん、マーベルの各ヒーロー映画も、それぞれ単独でも興行がうまくいくように狙ってはいますが、結果それほどブレイクしなかった作品はどうしても出てきてしまいます。それでもしっかりとしたクオリティを提供しているからこそ、ユニバーサル化したときにもサテライトコンテンツとして価値を生み出します。

また、ターゲットの分散化も図ることができます。例えば、アイアンマンで集客しきれなかったちびっこ層をアントマンで集客して『アベンジャーズ』につなげるというイメージです。ハルクやアントマンのようなヒーローは、アベンジャーズを盛り上げるための誘導装置として効果を発揮するのです。

サテライトからオウンドへ、進化したWEBサイトの逆転現象

サテライトからオウンドへ、進化したWEBサイトの逆転現象

マーベルの戦略として、メインコンテンツの『アベンジャーズ』のクオリティに力を入れ収益を上げるのはもちろんですが、『スパイダーマン』や『キャプテン・アメリカ』といった他のコンテンツでも独立した収益を追求しています。

これらのサテライトコンテンツの目的として、メインコンテンツ(アベンジャーズ)への集客という役割がありました。ところが、逆流とも言える現象が起こっていることは見逃せない事実です。公開初週末ランキング歴代1位の大ヒットを記録した『アベンジャーズ』を観たお客さんが、今度は『スパイダーマン』や『キャプテン・アメリカ』といった他のコンテンツを見てみたいと逆方向に動き、これまで公開されDVD化されていたコンテンツへの流入が起こりました。

サテライトコンテンツとメインコンテンツの主従関係の逆転現象です。これはウェブサイトにおいても同じです。前述したように、サテライトサイトはSEO対策やターゲット層を拡大する効果があり、元々はメインサイトでカバーしきれない細かいキーワードで集客することが目的にありました。

そのため、より多くのサテライトサイトを持つことで市場を一網打尽にすることがWEB戦略上のアドバンテージでした。しかし、サテライトサイトとメインサイトの主従関係も、今ではこれまでのものから進化し展開されています。

これまではサテライトサイトはあくまでもメインサイトへの誘導のための装置であり、予算の割合もデザインの工夫や運用比率も、メインサイトが重視されてきました。サテライトサイトは必要に応じて次々とスピーディに制作され、キーワードに沿って更新運用されていけば、メインサイトへお客さんを誘導できていました。

ところが昨今では、サテライトサイトの独立化が目立っています。メインに対してのサテライトという位置付けだったのが、メインはあるのですが、他にも運用されているWEBサイトがあるというイメージです。
例えていうならば、WEBサイトの子会社化です。

それぞれのWEBサイトが子会社のように独自で収益をあげて運用がされているのですが、お客さんの相互流入といった形で横のつながりもあり、それを包括するようにホールディングス化しています。これらの独立したWEBサイトを『オウンドメディア』と呼んでいるのです。

それぞれが独立しているので、それぞれ運用・集客が必要であり、それぞれで収益をあげます。そのため、関連キーワードを潰していくスピード感よりも、それぞれのWEBサイトのクオリティが求められます。

サテライトサイトは必ずしも「誘導装置」ではなくなってきている

サテライトサイトは必ずしも「誘導装置」ではなくなってきている

今広がっているオウンドメディアは、同じテーマのメインサイトをいくつも保有するイメージです。リターゲティング広告の「マーク用」に使ったり、リンク効果を高めてオウンドメディア全てを「SEO強化」として狙うなど、WEB戦略に応じてWEBサイトごとに役割を変えたり、狙いを絞ったりします。

これまでのサテライトサイトは、さながら月のようにメインサイトに付随し、メインサイトに大きく影響されていましたが、オウンドメディアに進化してからは、独立した収益と運営が求められ、『サテライト(衛星)からプラネット(惑星)』に様変わりしています。まるで太陽系の惑星のようにそれぞれが動きながら好循環を生み出し、各WEBサイトそれぞれが収益の柱となるように事業化することが求められています。

『アベンジャーズ』は単体で優秀な興行収入を挙げていますが、これからどうするのかも考える必要があります。世代交代も考え、これから公開されるスパイダーマンホームカミングに絡ませつつ全体を育成できるように、「収益の最大化」と「収益のバトンタッチ」を考えたWEB戦略が必要になります。

例えば、様々なウェブコンテンツを配信しているメディア、メディアジーン社の戦略を挙げることができるでしょう。メディアジーン社はギークには「ギズモード」、ライトユーザーには「ライフハッカー」、アドテク業界人向けには「DIGIDAY」といったシステムでコンテンツを配信しています。

それぞれ単体でのみ収益をみるのではなく、事業全体で循環させ「収益の最大化」を図っている事例です。今後メディアジーン社のように、事業全体、さらにはネットユーザーの行動を囲い込みにいくような大規模WEB戦略が、大手企業を中心に台頭していくと考えられます。その動きに対応できるようなWEBマーケティング戦略を立案していきましょう。

 

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