高年収なWEBマーケターが「仕事以外」でやっていること
目次
WEBマーケターの年収って、高いの?
オンラインビジネス最盛期の今日、どのようにしてWEBに集客するのか、成約率を高めるのか、サービスの認知を広げるのか、といったWEBマーケティングに関する悩みは尽きません。こうした悩みを解決する人材として、近年よく耳にするのがWEBマーケターという職種です。
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それでは、WEBマーケターの年収って実際どうなのでしょうか?どれくらいなのかご存知でしょうか?
結論から言いますと、WEBマーケターは年収が高い職業です。年収が高い理由はなぜか、実際どのくらい稼げるのか、まとめてみました。
WEBマーケターの人材価値は急上昇中
WEBマーケターの人材価値が上がっている背景に、あらゆる企業がWEBと無関係ではいられない現状があります。かつて、マーケティングは“AIDMA”が重要だと言われていました。AIDMAとは、
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動)
の頭文字をとったもので、この順番で消費行動を起こすと言われています。
ところが、インターネットが普及するにつれ、AIDMAは”AISAS”に変わりました。AISASとは、
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Search(検索)
- Action(行動)
- Share(共有)
の頭文字をとった消費行動です。Search(検索)とShare(共有)は基本的にWEB上で行われるために、WEBマーケティングが不可欠になってきています。
さらに言えば、2011年には電通が”SIPS”という新しい消費行動モデルを提唱し話題になりました。SIPSとは、
- Sympathize(共感)
- Identify(確認する)
- Participate(参加する)
- Share & Spread(共有・拡散)
の頭文字です。そもそも出発点が広告やCMなどのメディアではなく、SNSを通した共感から始まり、WEB上で確認して実際に参加し、自分自身の体験や感動をSNSでシェアするという、SNSで始まりSNSで循環するモデルです。
そのため、WEBマーケターの役割は、コーポレートページなど自社メディアだけを作成し管理するだけにとどまらず、SNSを使った広報活動や採用活動まで広がっています。
従来であれば、複数の部署に渡って行われていた仕事を一つの部署(WEBマーケター1人で完結する場合もある)で実施するため、その役割は非常に重要です。WEBマーケターがいないとWEBマーケティングはおろか、業績を伸ばすことがままならない現状があるのです。
日本の平均年収よりもWEBマーケターは高年収
現在WEBマーケターとして活躍しているのは、10代でインターネットで触れた年代などデジタルネイティブと言われる世代です。そういった人たちはWEBマーケターとして高年収を狙うことができるでしょう。WEBマーケターは実際どのくらい稼いでいるのか、年収例を挙げました。WEBマーケター30歳の年収例は以下の通りです。
- WEBメディア企業 :~650万円
- 大手広告代理店 :~600万円
- IT系コンサル会社 :~600万円
- 一般企業のWEB担当者:~800万円
- フリーランス :~800万円
もちろん、企業によって年収は異なります。そのため、大まかに業界を分けてまとめました。30歳の国内平均年収が430万円ほどになりますので、どの業界を見ても同年代の平均年収と比較して大幅に高年収と言えるのではないでしょうか。
高年収WEBマーケターに求められる資質って?
WEBマーケターの仕事は非常に多岐に渡ります。基本的にはサイトの運営・管理や集客、売上管理となりますが、採用活動や広報活動、営業戦略立案など経営視点に近い仕事が求められる場合もあります。販売戦略や営業戦略など経営に関わる仕事は従来のマーケターと共通する部分かもしれません。
このような仕事を任されるWEBマーケターに必要な資質とはどのようなものなのでしょうか。そもそも、マーケターに求められる能力は「プロデュース力」です。企業の強み、弱み、リソースを正確に把握し、市場におけるポジションを定義します。ライバル企業の動向や社会環境、顧客のニーズなど様々なファクターを把握し、総合的に判断を下すことが求められます。
WEBに関するマーケターだからWEBについての知識を有し、WEBのことだけしていればいいという時代は終わりました。WEBについての知識があることは当たり前。
その上で、マーケターとして広告やプロモーション、デジタル活用、マス媒体や店舗運営などマーケティング全般の知識と理解が求められるようになってきました。まさにWEBの総監督です。WEBの総監督というポジションは、オンラインビジネスを中心に行なっている企業においては企業の中枢を担う立場になります。
高年収を獲得しているWEBマーケターは業務における成果の継続性が求められます。そのため、常に多方面にアンテナをはり、多くの情報をキャッチしている必要があります。
そうすると、世の中のこと、顧客のこと、社内のことを理解していることもWEBマーケターの業務と言えます。毎年成果を出し、そのための準備を常に行なっている。そういった理想的なWEBマーケターは自ずと高年収になっていくのです。
WEBマーケーターの「プロデュース力」はどう養うの?
仕事のできる人は「プロデュース力」があると言われています。プロデュースと聞くと、AKB48やおニャン子クラブなどをプロデュースした秋元康やモーニング娘。をプロデュースしたつんくなどが真っ先にイメージされるかもしれません。また、佐藤可士和や水戸岡鋭治などデザイナーに近いイメージを持つ方もいますよね。
何か商品やサービスを作りあげることだけがプロデュースではありません。実際、最近よく耳にする『セルフプロデュース』もプロデュースの一つです。『セルフプロデュース』は自分自身をどのように表現し、どのような価値を作っていくのかを考え実行することです。
『セルフプロデュース』ができている人は社会でも目立った存在になっていますし、社内でも重宝されているのではないでしょうか。プロデュース力は特別なスキルではなく、誰でも実行するチャンスがある能力なのです。
WEBマーケターに必要なプロデュース力とは?
前章でも説明しましたが、マーケターとは、企業の強み、弱み、リソースを正確に把握し、市場におけるポジションを定義し、ライバル企業の動向や社会環境、顧客のニーズなど様々なファクターを把握した上で、総合的な判断を行う立場にあります。
入手した情報を正しく分析し、戦略を立案します。そして立案した戦略を実現するために必要な人材を巻き込み、また自分でも実行する。プロデュース力には『戦略力』、『巻き込み力』、『実行力』の3つの力が必要です。
『戦略力』とは、
目的や課題を構造化するテクニックのことです。課題を抽出し、どのようにして課題を解決し、それが社会にどんな影響を与えるのかを考えます。また、チームが目指す方向性を決め、なぜその方向へ向かうべきなのかを論理的に説明する役割を担います。
『巻き込み力』とは、
社内外から必要な人でチームを組むことのできる力です。人が1人でできることには限界があります。多くの力を集めれば集めるほど、大きなプロジェクトを作ることができます。
「あいつになら力を貸してやろう」「彼と一緒に仕事がしたい」「前回借りがあるから今回は助けたい」など、日頃から人とのコミュニケーションを大切にする人たらし的な能力や、「今回のプロジェクトは面白そう」「このパートで自分の力が活かせる」「とにかく一緒にやりたい」などなど、人をワクワクさせる企画力も必要です。『巻き込み力』は言い換えれば、人から愛される力と言うことができるかもしれませんね。
『実行力』は
プロジェクトのマネジメントを行い、目的を達成させる力のことです。プロジェクトのマネジメントは大きく分けて3つです。
1つはリスクマネジメント。
事故や災害、運営資金の調達や運用、人材の確保などが挙げられます。一つでもバランスを欠くとプロジェクトの進行に大きく影響が出てしまいます。
2つ目はスケジュールマネジメントです。
プロジェクトの完了予定日から逆算して、何がいつまでに終わっていなければいけないのか、遅れた場合どのようにリカバリーするのかを把握し、スケジュールをコントロールします。特にイベントなどの場合、告知した日程をずらすことはよほどのことがない限り難しいので、スケジュールマネジメントはよりシビアに行われます。
3つ目はクオリティマネジメントです。
クライアントや顧客が求める品質をクリアしなければ、信用に関わります。スケジュールとの兼ね合いの中で、クライアントや顧客が求める品質をどのようにして担保するのか手段を講じるのがマーケターの腕の見せ所です。
これらプロデュースするための力は当然一朝一夕で身につくものではありません。通常業務をこなしていても自然と身につくものでもないので、どうやって日常の中でプロデュース力を養っていくかが大きな課題となります。
高年収なWEBマーケターが仕事以外でやっていることとは?
プロデュース力を身につけるためには通常業務だけでは難しいことは先ほども述べました。通常業務で難しいことだということは、通常業務以外で身につけているということになりますよね。高年収のWEBマーケターが仕事以外の日常生活から学んでいることを2つご紹介します。
何てことない日常風景も、マーケティングの勉強の場に
通勤の途中、あなたは何をして過ごしているでしょうか?少しでも疲れを取るために寝ていますか?それとも知識を蓄えるために読書に精を出したり、気分転換のためにスマホでゲームをしていたりしているのでしょうか?マーケターであれば、通勤時間でさえもマーケティングの勉強にしています。
例えば電車の中刷り広告や車窓から見える看板、スマホのアプリを開くと出てくる広告など、世の中にはとても多くの情報に溢れています。これらについて、「なぜここに設置しているのだろう」「なぜこのように書いたのだろうか」「こうしたほうが良くない?」「ターゲットは誰をイメージしているんだろう」など考えを深めていき、自分が気づいた「なぜ」を紐解いていくことで「なぜ人は買うのか」を分析するトレーニングができます。
もちろん、自分の頭の中で考えていることですから、正解はありませんし誰からも反対されることも批判されることもありません。自由に考え自由な答えを導き出すゲームのようなものです。
「なぜ○○なのか」「ちょっと待てよ」「?ということは」というような訓練を積むことで戦略的な考え方ができるようになります。
社内の人と”カラむ”とマーケティングが養われる
マーケティング手法は本当に呆れるくらいたくさんあります。その上、時代の変化とともに改良されていくものや、新たに作られるものもあります。マーケターは一つの打ち手ではなく、いろいろな手法を組み合わせることが基本です。それが多角的な視点に繋がったり、リスクマネジメントに繋がったりするためです。
そのためには各部署と連携し、それぞれの本部の知見を吸収してうまく使うことが必要です。うまく連携をしていくために、社内外への情報収集や情報編集が必要になります。どこにどんな人材がいて、どんなスキルを持ち、どんな業務を得意としているのかを知ることで、社内の人材というリソースを把握することができます。
情報収集のためには、まず業務の絡みがない部署の人たちとも積極的にコミュニケーションを取ることです。ちょっとした作業の手伝いなどができればベストです。そうして知り合いになった人を通じて他部署の飲み会やイベントに顔を出すのも良いでしょう。このような関係を作っておくと、必要な資料やそのセクションの専門性の高い情報が入ってくるようになります。
まとめ
1、WEBマーケターはWEBに関することばかり詳しくなりがちなので、オンラインよりもオフラインの動きの方が大切です。
多くのWEBマーケターは得意分野であるオンラインの知識や情報は集めますが、他の分野の情報は入って来づらいので自分から積極的に取りにいくことです。そして、オフラインで得た情報の方が価値が高かったりします。
2、マーケティング手法は様々なフレームワークが作られ、誰でも簡単に当てはめることができるようになっています。
フレームワークがあるということはパターン化しやすいということ。とりとめもない話から要点を掴んでパターン化するトレーニングをすると良いかもしれません。
3、評価が高まるときというのは、期待された以上の成果を出したときです。
自分の業務以外のことも解決できるようになるとWEBマーケターとして評価が高まりますので、高年収を目指すことにもつながります。
以上3点を心に留めて、高年収WEBマーケターを目指してみてはいかがでしょうか?
【あわせて読む】
●キャリアのゴールは部長だけ?管理職を目指さない選択と専門職制度を考える
●もし、あなたが経営者なら「マーケティング がしたい」という人にマーケティングを依頼しますか?
●「今日から俺はWEBマーケター」を目指すことは可能なのか?(ビギナー向け)