一生食べていける仕事?ウェブ解析士は会社に重用されるのか
ウェブ解析士は、会社に重用される人材になるでしょうか?結論として、ウェブ解析士を継続していくことは会社に重用される人材になっていきます。
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それは、ウェブ解析士の資格を認定する民間機構が、変化の激しいウェブの状況に合わせて毎年、資格を維持するためにウェブ解析士会員資格更新を行っているからです。
つまり、知識と実務能力を高めていくことができる資格になります。
当記事では、ウェブ解析士が、実際に「会社にどのように重用されるのか?」に焦点を当てていきます。読み終えるころには、ウェブ解析士の必要性が判断できるようになるでしょう。
ウェブ解析士は、「資格さえ取ってしまえば安心」という部類の資格ではありません。日々変わっていくウェブ環境に対応するため、学習とスキル維持が必要になっていく資格です。
そのためウェブ解析士の資格認定機構では、ウェブマーケティング学習のモチベーションアップにもつながる体制を整えています。
ウェブ解析士会員資格更新で資格を維持していかなければ、ウェブ解析士ではなくなってしまうのです。
目次
ウェブ解析士の資格って必要?
「ウェブの仕事って資格は必要ないでしょ?」ウェブの仕事は、実務経験がものを言う世界だけに資格を振りかざしても実務が伴わなければ会社に重用されませんよ。
「でしょ。だから資格なんて必要ないの!」いいえ、社内で立ちまわるだけなら資格は、必要ないでしょう。あなたの実務能力は会社に理解されていても、クライアントには判断できません。
ウェブマーケティングでは、クライアントの要望をヒアリングしたり、提案したりすることもあるでしょう。クライアントから要望されるウェブサイトの改善は、経営改善にまで話が発展することも珍しくありませんよ。
クライアントの経営の大事な部分を未熟かもしれない営業に任せられないじゃないですか。
「私はウェブに情通していて日々、知識や実務能力を高めています。」ウェブ解析士は、クライアントに対して、肩書でアピールするのに役に立つ資格なのです。
それでは、ウェブ解析士ってどんな資格なのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
ウェブ解析士ってどんな資格?
ウェブ解析士は、ウェブサイトに関するあらゆる数値など情報を扱って、データ収集と分析ができるスキルを証明する資格です。グーグルアナリティクスなどで知られるアクセス解析はウェブ解析士の一部のスキルに過ぎません。
ウェブ解析士は、2018年まで25,000人以上が受講している実践資格です。一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)で、講座や認定試験を行っています。
ウェブ解析士を一言でいうと、「成果につながるウェブ解析ができる人材の育成になる認定資格」ですね。さらにウェブ解析士になると身につくスキルは以下の4点になります。
- ウェブマーケティング業務の遂行・効率化
- ウェブマーケティング用語の定義
- アクセス解析データ活用法
- ウェブ解析課題発見・改善手段
ウェブ解析士は、企業のビジネスゴールを設定でき、結果としてウェブサイトだけではなく経営改善まで提案する説得力を身に着けることが可能でしょう。クライアント企業に成果をもたらすためのデータ分析能力が向上するのです。
ウェブ解析士が企業に重用される理由
ウェブ解析士は、結果的に自社にも重用されることになります。その理由は、ウェブ解析士がクライアント事業に成果をもたらすことが目的のスキルだからです。
クライアントに頼りにされる肩書があれば、営業面でもプラスになりますからね。次にウェブ解析士が持っているクライアントにとって重用される能力を上げてみましょう。
- アクセス解析以外のデータの分析能力
- コンバージョン後の商談率や成約率の分析
- KPI設定でビジネスゴールを計画する
クライアント企業に重用されるポイントは、KPI設定ですね。
具体的に「売上を何%上げたいのか」を設定して、必要アクセス数、CTR、必要コストを計画立案できるビジネスゴール設定能力です。まさに「ウェブコンサルタントとして能力がある」と認められた資格なのです。
ウェブ解析士になるためには?
では、ウェブ解析士になるためには、どのようにすればいいのでしょうか?
方法は、2通りあります。
- ウェブ解析士講座に申し込んで受講する方法
- 直接認定試験に申し込む方法
ひとつは、学習から試験までの一通りをウェブ解析士協会の講座で完結させる方法です。こちらは、講座費用がかかりますが、試験合格のためのポイントも抑えられます。確実性を重視する場合の方法ですね。
二つ目のウェブ解析士の直接認定試験を受ける方法は、独学になります。
受験必須条件の公式テキストをネットで購入(最新版)して自分で反復学習と予習をしていくのです。さらにウェブ解析士の模擬テストも受けて試験問題になれていく必要があります。攻略ポイントは、「反復」です。
詰め込みで試験の1か月前、余裕をもって2か月~3か月前の学習開始がおすすめでしょう。何故かというと、演習問題が多い(計算問題)からです。直感では間違いやすい「どれも正解に思える」ような、引っかけ問題もあります。四者択一ですが、計算問題は重要視して勉強したほうがいいでしょう。
ウェブ解析士の難易度とテキスト
ウェブ解析士の試験は、「余裕で受かるほどでもなく、ちゃんと勉強すれば受かるレベル」という予習と反復は必要になるでしょう。
ウェブ解析士の公式テキスは、300ページほどあるので読むのに時間がかかります。略号などの意味を暗記することも台になり、最低でも3回は読む反復学習が大事です。
テキストだけでなく、ウェブ解析士認定対策問題集が、Kindle版のみ購入できます。本番の演習問題に慣れることですね。
四択だけど計算問題も多いウェブ解析士試験は、KPIや計画立案の部分は、複雑な計算が多くなります。ただし、公式テキストを見ながら電卓の持ち込みもOKなので、全部を暗記する必要ありません。
気になるウェブ解析士試験の合格ラインは、出題全問中70%以上の正解です。つまり、テキスト全体から30%以内の分野は捨てることもできますね。
ウェブ解析士の合格率
次にウェブ解析士資格試験の合格率を見ていきましょう。2016年11月試験では、72.7%の合格率でした。全体の20852人中15000人合格になります。言い換えると受講者の4分の一は、不合格ということです。
2017年7月試験の合格率は、71.9%になります。先ほども言いましたが、認定試験は公式テキストが持ち込めるので暗記する試験ではないのです。答えをテキストから探すことができるので、基本的にやさしい試験になります。やさしいといっても注意するべき点は、試験時間が60で主題数60問ということ。四択形式で選べば済むことですが、四択回答が正解とも思えるような引っかけもあるのです。
だからといって、テキストを読む時間に時間をかけていると、たちまち時間が無くなる可能性もあります。やはりウェブ解析士の試験は、事前に公式テキストを把握しておく必要はあるでしょう。
ウェブ解析士の試験
ウェブ解析士の認定資格試験は、テキストを見ながら進められる試験です。試験日は事前に決まっているので、公式教材と認定講座でスケジュールを決めて学習ができます。
ちなみにウェブ解析士協会で確認できる試験のスケジュールですが、直近3カ月で実施される地域がリンクになっているので近くの会場を選ぶことができるでしょう。
それから会場まで行かないで認定試験が受けられるオンライン会場試験があります。オンライン会場試験は、日程と時間は決まっているため、都合さえ合えば、手軽に受講できるのです。オンライン完結型なので交通費がかからない方法です。
ウェブ解析士にはレベルがある
ウェブ解析士には、3段階のレベルがあります。
- ウェブ解析士
- 上級ウェブ解析士
- ウエブ解析士マスター
「どのように違っているのでしょうか?」それぞれ内容を見ていきましょう。
ウェブ解析士
ウェブ解析士は、2016年まで「初級ウェブ解析士」と呼ばれていました。そして、2017年から「ウェブ解析士」と変更になったのです。「初級」がなくなった分、試験問題のレベルも上がっています。
ウェブ解析士の公式テキストの講義内容以下の通りです。
- Webマーケティング
- Web解析
- 基礎知識
- 用語認識
- 営業・制作・開発・社内ウェブマスター業務
- プロジェクトファシリテーション
- 業務効率化
ウェブ解析士の試験に合格しないと次へのステップアップはできません。ウェブマーケティングの実務経験があれば、公式テキストを見ながら受けられるので難しくはないでしょう。
上級ウェブ解析士
ウェブ解析士の認定を受けていないと受講できない「上級ウェブ解析士」です。内容もより実務的な演習問題が出題されます。上級ウェブ解析士の講義内容を取り上げてみましょう。
- Webマーケティング
- ウェブ解析の応用知識
- クライアント・社内経営陣に説明
- KPI(重要業績評価指標)設定
- ウェブマーケティング計画設計・立案
- 時系列分析セオリー
- ウェブ解析基準
- 業務設計
- 分析結果の課題抽出と改善提案をアドバイスできるスキル
上級ウェブ解析士は、ウェブ解析士のステップアップ資格です。講義の中でも「KPI設定」や時系列分析セオリーなどは、社内やクライアントへの提案力が身につくことでしょう。
ウェブ解析士マスター
ウェブ解析士マスターは、コンサルティングスキルやウェブ解析士を教育する立場になる認定資格です。大学や企業の研修などでウェブ解析をレクチャーできる講師の資格です。ウェブ解析の講師を目指すならば、必要な認定資格になるでしょう。
では、ウェブ解析士マスターの講義内容を取り上げます。
- ウェブマーケティング
- ウェブ解析の教育
- 研修ができるスキルと知識
- 講師として講義を開設
- 教育機関・企業で認定講座の講義と指導を実践
- セミナー開設
ウェブ解析士マスターの認定資格があれば、セミナービジネスもできるでしょう。ウェブマーケティングのプロとして、最高峰の認定資格となります。
ウェブ解析士の費用は
3つのウェブ解析士の認定資格を紹介してきました。それでは、ウェブ解析士の認定資格の受講費用について見ていきましょう。
独学で受講する場合、ウェブ解析士講座の試験受講料は、17,280円になります。講義を受けて試験を受ける場合は、講義受講料10,800円と初回試験受講料17,280円です。どちらも公式テキスト(4,320円)を購入することが条件になっています。
不合格の場合、再試験を受けることも可能です。再受講料は、11,880円になっています。
独学でウェブ解析士の認定試験を受けるには、テキストと併せて21,600円が必要です。さらに上級ウエブ解析士の講義試験受講料が、86,400円になります。ウェブ解析士マスターになると、324,000円です。ウェブ解析士の認定資格は、レベルアップも費用も上がるのです。
そしてポイントになるのが、ウェブ解析士になるとウェブ解析士協会の正会員に自動的(強制的?)に登録されます。
日々、変化のあるウェブ環境に対応していく目的により、ウェブ解析士でいるためには、年会費を支払う必要があるのです。正会員になって、フォローアップ講座と試験に合格しないとウェブ解析士ではなくなります。
せっかく取得した認定資格を維持するためには、新しい知識や実務能力を磨いていく必要のあるシステムですね。
ウェブ解析士って資格商法?
ウェブ解析士は、費用をかけないと継続できない認定資格になります。これって資格商法?誤解を受けますよね。
「資格商法」「協会ビジネス」「セミナービジネス」これらすべてに当てはまることは事実です。「資格商法?怪しい」とか「協会ビジネスは儲け主義」と決めつけてしまえば話は終わってしまいます。
重要なことは、ウェブ解析士の資格を有効に活用して、「さすがウェブ解析士!」といわれるような人材でいることではないでしょうか。
ウェブ解析士の認定資格を持っていても、ペーパー上の演習問題が解けただけの資格になります。認定資格があってもグーグルアナリティクスが操作できない、自分でウェブサイトを持っていない人もいるのです。
これでは、「ウェブ解析士」の肩書を名刺に書いてアピールしても、残念な資格とみなされますよね。要するにウェブ解析士の認定資格は、登竜門に過ぎないってことです。
認定資格を持っている「士業」であることを自覚して、様々なビジネスの事例に合わせた対応が、実務能力に求められるでしょう。
ウェブ解析士の評判は?一生食べていけるの
ここまでウェブ解析士の解説をしてきました。では、ウェブ解析士って一生食べていけるのでしょうか?資格を取ったからといって、会社に重用され、「仕事で生かすことができるか?」が、気になるところです。
ウェブマーケティングをクライアントにコンサルしている会社でしたら、社員の知識を体系的に身につけるための研修の習得基準にはなるでしょう。カリキュラムも毎年アップデートされて、最新知識や情報をキャッチアップしなくては、ウェブ解析士の資格が更新できないのもスキルアップに繋がります。
ウェブマーケティング会社でしたら、社員のモチベーション維持とスキルアップになるので法人として協会に登録して研修費と見ていくことも可能ですね。
一生食べていける資格?と考えた場合、自分自身の努力次第としか言いようがありません。それは、ウェブ解析士の認定資格をレベルアップさせて「上級」や「マスター」を目指したとしても同じことです。
ウェブ解析士は、テキスト上のウェブ解析の知識や一部の事例に特化した分析などの提案の基本を学ぶだけのスキルなのです。何が言いたいかというと、ウェブ解析士の認定資格は、サブスキル程度に思っていたほうが良いでしょう。
「一生食べていける?」かは、あなた次第です。ウェブ解析士の講義で学んだ知識や技術を実際のクライアントの事情に置き換えて取り掛かる必要があります。
さらにクライアントの業績指標を提案して、分析通りに売上が伸びていく実績を作ったときに認定資格が生かされたことになるのです。
国家資格ではなく細分化された民間資格は、「資格商法」とか言われて叩かれたりもしますが、「資格を取って安心」するような時代は終わっていると言えます。
実務能力が伴わなければ、ウェブ解析士全体の評判を落とすことになりかねません。「会社に重用されるか?」もあなた次第。
まずは、ウェブ解析士の資格を取って、何を目指していくのか?この部分を考えてから判断していきましょう。
【あわせて読む】
●文系脳マーケターこそAIを制すべきである!
●年功序列が終わる時代で思うこと。- 令和ビジネスパーソンの選択肢 –
●キャリアのゴールは部長だけ?管理職を目指さない選択と専門職制度を考える