検索では見えない!ディスプレイ広告で潜在顧客をビジュアル誘導
リスティング広告運用に没頭し、検索結果以外の広告が視野に入らなくなる事があります。検索結果ページだけが戦う場所ではないですよ!
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ディスプレイ広告は検索広告では見えない特徴があります。検索広告は、検索結果にだけ反映される広告です。つまり、顕在化した目的意志の強いユーザーに訴求ができる広告ですね。
検索広告に比べて、ディスプレイ広告は、広い範囲に向けた訴求になります。そのため、検索では見えない「潜在顧客」に視覚から誘導することができるのです。
そんなディスプレイ広告について、疑問点にフォーカスしてみました。
- 検索広告との違いは?
- なぜ視覚的に有効なのか?
- どのような方法で取り組めばいいのか?
- メリットやデメリットは?
検索広告とディスプレイ広告の違いを理解して、リスティング広告からディスプレイ広告の運用を検討中のWeb担当者に打ってつけの判断材料になることでしょう。
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目次
検索広告とディスプレイ広告の違い
はじめにディスプレイ広告と検索広告の違いについて解説しましょう。
大きな違いは、表示される場所が違うことです。
- 検索広告(リスティング広告)は、検索結果画面に表示されます。
- 検索広告とは、正式に言うと「検索連動型広告」のことです。
- 広告を見ることができるのは、入札した「キーワード」にマッチした検索ユーザーのみ。
さらに検索広告は、「テキスト広告」だけの訴求になります。つまり、顕在ユーザー向けのサービス訴求なので、目的に合った広告で最初からアプローチができるのです。
このように検索広告とディスプレイ広告の大きな違いは、「訴求する層」になります。
検索広告 | 検索キーワード | 顕在化ニーズ | CVしやすい |
ディスプレイ広告 | ポータルサイトなど | 潜在顧客 | CVしにくい |
検索広告(リスティング広告)とは、広告の掲載場所や表示場所が違うので、競い合うような概念はないのです。
検索広告は、検索結果の画面上部の広告枠に掲載されます。ディスプレイ広告は、ポータルサイトや関連サイトのトップページの広告枠に掲載されるのです。
さらに広告フォーマットも違います。検索広告は、テキスト広告のみのニーズが明確なユーザー向けです。ディスプレイ広告は、画像や動画、テキストが活用できるニーズが明確なユーザー向けになります。
ここまで比較してきた内容から、検索広告とディスプレイ広告は、両方とも用途を理解して運用することが望ましいのではないでしょうか?
どちらの広告も競合する可能性はないので、「検索結果」と「メディアサイト」で「コンバージョン」と「ブランディング」と役割を振り分けるようなイメージですね。
このように「検索広告」と違う「ディスプレイ広告」について詳しく解説していきましょう。
ディスプレイ広告について
ディスプレイ広告について説明します。ディスプレイ広告とは、ウェブサイトやアプリなどインターネット上の媒体(メディア)の広告枠に表示される広告のことです。またの名を「バナー広告」とも言われています。
ディスプレイ広告の掲載場所で多いのが、オウンドメディアやポータルサイト、人気のブログなどのサイトのサイドバーや下部に設置された広告枠です。
ディスプレイ広告のシステムは、広告枠に掲載された画像広告などをクリックして、広告主のサイトに移動することが目的になります。
ディスプレイ広告のフォーマットは、テキスト、画像、動画などを駆使した広告です。言い換えると「インターネット上のコマーシャル」という表現が一番近いのではないでしょうか。
ディスプレイ広告の種類
ディスプレイ広告の種類は、3つに分けられます。
- GDN
- YDN
- DSP
GoogleのGDN(グーグルディスプレイネットワーク)は
主にGmailやYoutubeで表示される広告です。
Yahoo!の YDN(ヤフーディスプレイアドネットワーク)は
Yahoo!ニュースやヤフオクで広告表示されています。
DSP(デマンドサイドプラットフォーム)は
GDNやYDNに比べて、広告主の広告効果を最適化するためのツールです。よりWeb利用ユーザーの情報をデータベースによって、分析して、広告掲載とターゲットを半自動でマッチングしてくれるサービスですね。
GDNやYDNは、広範囲に広告掲載ができるアドネットワークです。DSPは、アドネットワークに比べたらアプローチ範囲が狭いサービスになるでしょう。
当記事では、アドネットワークのGDNとYDNの特徴から、ディスプレイ広告について話を進めていきます。
ディスプレイ広告の料金システム
続いて、ディスプレイ広告の運用の種類です。
ディスプレイ広告の料金システムは4つあります。
- クリック単価制
- インプレッション単価制
- 期間保証制
- 成果報酬制
広告がクリックされるごとに料金が発生するクリック単価制は、クリック課金のリスティング広告に似ているクリック単価による料金システムですね。
一定の広告表示回数に応じたインプレッション単価制は、例えば「表示回数が1000回になりました」と表示回数により料金が決定するシステムになります。
次に期間保証制は、クリック数やインプレッション数では料金が変動しません。一定期間の広告表示を設定して「期間」で料金を決めるのです。
最後の成果報酬制は、掲載した広告を経由してユーザーがコンバージョンした場合のみ成果とみなすシステムになります。
4つのシステムは、それぞれに設定した入金金額から課金額が引かれていくシステムです。あなたの運用目的に合わせて、使い分けてみましょう。
ディスプレイ広告は視覚ユーザー
ディスプレイ広告について、種類とシステムを解説してきました。今までリスティング広告を運用してきたマーケターにとって、露出する場所が検索結果ページではないことが大きなポイントになります。
ディスプレイ広告は、潜在的なニーズのユーザーにヴィジュアル的に訴求する方法です。つまり、視覚的にユーザーに訴えかけるメディア戦略と言えるでしょう
ホームページまで誘導する前にアプローチができるディスプレイ広告は、検索ユーザーとは違う視覚ユーザーへのオファーになるのです。
画像や動画など広告のコンテンツの可能性も高められるので、視覚的に効果も検証できるようになるでしょう。
ディスプレイ広告の配信目的を理解
ディスプレイ広告を配信する目的は、ブランディングではないでしょうか。目的として、製品の認知度を高める効果が期待できます。
ディスプレイ広告は、認知度を高めるだけではなく、メッセージを広げていく役目にも最適です。広範囲にアプローチできる特徴から、ブランディング指標を向上させるには向いている広告と言えるでしょう。
ブランディングを目的とする広告媒体のTVコマーシャルと同じように、動画や音声でアプローチできます。以上のことから、ディスプレイ広告は、広告配信できる場所が広いことと、訴求できるユーザー層も広いことで、認知度の向上の目的が最適になるでしょう。
潜在顧客への視覚提案だけで終わらせない
ディスプレイ広告は、画像や動画でクリエイティブに訴求できることを解説してきました。サービスを知らない潜在顧客に視覚的な認知をさせること役立つことでしょう。だからと言って、闇雲に潜在顧客にアプローチをするだけでいいのでしょうか?
潜在顧客の視覚提案は、アクセスの多いポータルサイトの広告枠で掲載されれば、多くのユーザーに見られることでしょう。確かにディスプレイ広告は、広範囲にブランディングができて商品やサービスを認知させることができますが、このままでは「紹介」止まりです。
このままでは、広告費を無駄にしていることになります。つまり、ディスプレイ広告にもターゲット設定が必要なのです。
ディスプレイ広告もリスティング広告の検索キーワードに沿った広告と同じで、ターゲットを明確にする必要性があります。さらにターゲット設定をして求められるのは、誘導先のコンテンツのクォリティです。
要するに、ある程度の属性に絞ったターゲット設定で誘導された顧客の期待を裏切らないコンテンツの提供になります。
そのため、ディスプレイ広告には、視覚的な提案で終わらせないようにするセグメントがあるのです。ディスプレイ広告のターゲティング機能を4つ紹介しましょう。
キーワードによるセグメント方法
ディスプレイ広告は、キーワードによるターゲット設定も可能です。「中古車」で広告登録すると「中古車」に関連した広告と判断して、自動的に「中古車」に関連しているウェブサイトに広告配信をする機能です。
トピック
GoogleのGDNで指定できる「トピック」です。特定のテーマに関するページのみ広告が掲載される機能になります。
例えば、「温泉」を指定した場合、温泉に関するコンテンツを含むウェブサイトに広告が配信されるイメージです。トピックは、表示回数が多く出やすいのが特徴になります。
プレースメント
プレースメント配信は、ウェブサイトを指定できる機能です。指定したウェブサイト内の掲載位置まで指定して広告を掲載することができます。プレースメントは、「自動」と「手動」が選べるのです。
自動プレースメントは、設定した「キーワード」の過去のデータを参考にして、関連性の高いウェブサイトに広告を配信してくれる機能になります。
手動プレースメントは、ディスプレイネットワーク広告の提携先の中から自分で選びます。 あなたが広告を配信したいウェブサイトの広告枠を絞り込んでから、配信可能をするのです。配信先を選べることで、広告効果も測定しやすくなるでしょう。
インタレスト
インタレストは、ユーザーの行動履歴データを参考に広告が配信される機能です。ディスプレイ広告のターゲティングの1つとなるターゲットユーザーに向けた広告配信です。
インタレストは、GDNで3つの機能にカテゴリ分けされています。
- アフィニティ
- 購買意向の強いユーザー層
- カスタムアフィニティ
「アフィニティ」は
Googleから提供される「興味関心リスト」から趣味や性格などを特徴として長期的な行動履歴によるデータを参考に広告が配信されます。
「購買意向の強いユーザー層」は
ユーザーの直近の検索閲覧履歴やアカウントの利用履歴などのデータを参考にした広告配信機能です。例を挙げると、自分が検索した内容に近い商品やサービスの広告をその後の検索から見かけるようになる機能になります。
「カスタムアフィニティ」は
自分でカスタマイズ設定できる機能です。設定できる項目は、「単語」や「URL」など。指定した「単語」や「URL」に興味関心を持ちそうなユーザーをユーザーの行動パターンからGoogleが判断する機能になります。
以上のように、ディスプレイ広告は、広い範囲での認知だけでは終わらない、潜在顧客をさらにターゲティングできる機能を備えているのです。
ディスプレイ広告のメリット
ここまでディスプレイ広告の特徴を解説してきました。最後に、ディスプレイ広告のメリットとデメリットについても見ていきましょう。
まずはディスプレイ広告のメリットを3つ取り上げてみます。
- ブランディング
- 認知度
- クリック単価の安さ
先ほど解説した「目的」の部分と共通しますが、ディスプレイ広告がブランディング広告として利用できることは大きなメリットです。その理由は、配信範囲が広いこと。表現力も画像や動画、インタラクティブコンテンツで幅広い層に視覚提案ができるからですね。
さらに、商品の認知度を上げるメリットもあります。ニュースサイトなどで情報収集するユーザーへのアプローチには向いているでしょう。
ディスプレイ広告は、クリック単価が安いこともメリットにあげられます。リスティング広告に比べて、1つの広告枠では、入札が集まらないので単価を抑えられるのが特徴だからです。
ディスプレイ広告のデメリット
次にディスプレイ広告のデメリットも見ていきましょう。
- コンバージョンが期待できない
- 設定や活用が難しい
ディスプレイ広告は、コンバージョン率が低いことが考えられます。広告が掲載される媒体に集まるのは、興味本位の潜在ユーザーが対象だからです。
さらにディスプレイ広告は、活用が難しいことがデメリットになります。検索連動広告のリスティング広告の場合は、「キーワード検索」という指標で計測できますよね。
ディスプレイ広告の場合は、広範囲なため、ユーザーの目的や動向を分析しにくいのです。改善など運用にあたって、知識や経験が必要になってくるでしょう。
まとめ
結論として、リスティング広告からディスプレイ広告の運用も検討しているマーケターに伝えたいことは次のようになります。
「検索広告とディスプレイ広告を上手くコントロールして運用していく」
ディスプレイ広告で自社の商品やサービスを認知させていきながら、検索でマッチしたユーザーに検索広告でコンバージョンしてもらう形ですね。
という記事でディスプレイ広告について解説してきましたが、メリットやデメリットを理解して、検索広告と併用でディスプレイ広告の力を発揮できれば幸いです。
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