インサイドセールスのメリット「人手不足の解消」ともう1つは…

インサイドセールスのメリット「人手不足の解消」ともう1つは…

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電話を使って顧客(見込み客)とコンタクトをする業務として頭に浮かぶ職種としては、テレマーケティング(テレマ)が一般的ですが、最近では「インサイドセールス」の認識度も上がってきました。

果たしてインサイドセールスはテレマと違うのか、違うのであればその違いについて確認したいと思います。

インサイドセールスとは

インサイドセールスの主な活動場所は自社内です。マーケティング部門が行うキャンペーンから生成されたインバウンドリードを中心とした企業内にあるリードデータをソースに、電話やメールなどでリードとコンタクトをし、営業的な視点から自社製品やソリューションに対する相手の購買意欲の有無を確認する共に、各リードのニーズに合致した情報提供や価値訴求を行います。

リードを訪問し案件受注に向けた活動を行う営業担当に、案件化への確度が高まったところで、リードの最新情報を渡すことがタスクであり、場合によっては営業のリード訪問初回にインサイドセールスが同行する場合も。つまり営業とインサイドセールスは並列の関係です。

インサイドセールスの歴史

インサイドセールスはテレマの進化系として1980年代に欧米先進国で始まり、1990年代に発展していきました。国土が広大なアメリカでは営業が顧客訪問する際の移動時間やコストも膨大なため、ドアノックの段階では対面営業ではなく電話一本で顧客にリーチできるテレマがもともと一般的であったので、インサイドセールスが急速に馴染んだことは必然といえるでしょう。

加えて1990年代後半にはインターネットが市民権を得て、さらにWebやメールシステムの登場で、インサイドセールスが認知されるベースが整いました。2000年代に入ると、アメリカなど英語圏中心にインサイドセールスの専門企業が登場し、今では一国のみならずグローバル対応する専門企業も多くなりました。

セールスとマーケティングの間の位置付け?

インサイドセールスの業務範囲は営業案件化前のフェーズから商談クローズに向けた営業活動の入口までのため、マーケティングと営業のどちらの部門に属することが良いのかと悩む企業が多いようです。よって企業によってインサイドセールスの位置付けは様々で、特にルールはありません。インサイドセールス部門として独立している場合や、マーケティングか営業に属する場合もあります。

テレマとの違い

テレマとの違い

テレマは電話やFAX、メールを使って顧客に販売推進を行い、アポイント(アポ)を取ることがその業務です。つまり何件アポが取れるかがテレマ担当の評価ポイントとなり、アポが取れたら、その詳細を営業部門に引き渡して仕事は終わりになります。

電話を使うという点でインサイドセールスもテレマに含まれると考えられがちです。しかしインサイドセールスはあくまでも営業職で、マーケティングや営業とタイアップして営業全体を考えての業務です。

アポを取るにしてもインサイドセールスの場合には、アポの件数が多いことだけが重要ではありません。購買意欲があるかどうか(ニーズはあるか)、相手のペインポイントが何かなどのリードの状況の把握や、受注の可能性はどれぐらいなのかなどを確認し、優先順位をつけることはまさに営業業務です。

インサイドセールスを効率的に行うためには全体で情報を共有する必要があります。顧客の属性や受注見込みの確度、今までの電話やメール履歴などの顧客情報データを関係者間でタイムリーに共有できなければ、業績アップにつながる営業活動は望めないのです。さらにはどの段階で営業に引き継ぐのか、営業が訪問した後にインサイドセールスで行うべきフォローアップ方法なども社内で明確化することで、営業効率を上げていきます。

テレマは正しい電話応対ができてアポが取れたらまずはよしなので、外部の専門企業に委託することも多いです。この点でもインサイドセールスと大きく違っているといえるでしょう。

なぜ今インサイドセールスなのか

なぜ今インサイドセールスなのか

インサイドセールスのニーズは日本でも高まってきていますが、それには理由があります。

1:企業の売上アップの施策が頭打ち状態

多くの同業他社がひしめき合う中で、画期的な製品やソリューションを継続的かつスピーディに市場に出し続けることは、今の時代困難です。しかも人手不足の折営業担当を増員するのも至難の技。そこでインサイドセールスという新しい営業方法の導入で売上アップを検討する企業が増えているのです。

2:クラウドサービスの台頭

かつては大型案件では数億円に達することもあったソフトウェア企業では、クラウドサービスの登場で案件規模が縮小されていった結果、ターゲットを大企業から中小企業へシフトせざるを得なくなりました。案件が小さくなればその分数を増やさなければならないため対面営業の工数を削減させるためには、インサイドセールスの存在が有効となるのです。

3:スタートアップにおける人手不足の問題

最近では多くのスタートアップが画期的な製品あるいはソリューションを世に打ち出していますが、それが売れなければ仕事として成り立ちません。しかし資金には限りがあるため人員を簡単には増やせないとなれば、少ない人数で効率的に営業活動を行えるインサイドセールスなのです。

インサイドセールスの2つのメリット

企業にインサイドセールス(部門)があるメリットとは、どんなことが考えられるでしょう。

●人手不足の解決策

通常の営業担当の業務プロセスでは、商談の時間や移動時間を含めると、1日あたりの対応件数は多くて4件程度です。一方のインサイドセールスでは1日に40件以上電話をかけることもザラですので、営業業務の効率を格段に上げることができますし、顧客先のカバー率が上がるので成果も表れやすいというわけです。

●既存人材の有効活用

インサイドセールスは女性やシニアの人材活用という点において、実は有効な手段といえます。

電話やメールが主要ツールとなる業務の特性から、働く場所を必ずしもオフィスである必要がないという点で、能力が高いのだが家を空けられない状況にあるため働くことを諦めていた人でも、インサイドセールスであれば在宅勤務で業務を行うことが可能なのです。

またシニア人材の活用にも役立ちます。もともと営業で活躍していた人の経験を今度はインサイドセールスで活かすのです。たとえばインサイドセールス部門のマネージャーに任命し、全体を統括してもらえば、シニア人材も働き続けることに、新たなモチベーションを得られることでしょう。

先人アメリカの状況

先人アメリカの状況

アメリカではインサイドセールスが専門職としての役割やミッションがしっかりと定義されていて、フィールドセールス同様にキャリアパスが確立されています。インサイドセールスが案件クローズまで行うことも珍しくありません。

営業活動におけるインサイドセールスの割合が欧米諸国で増え続けており、今後も増加傾向です。少し古いデータですが2017年に米Forbes社が発表した「2017 Sales Trend Research:Inside Sales vs. Outside Sales」では、売上高5億ドル以上の企業で営業担当者のうち、日本でいうところの営業の割合は71.2%、インサイドセールスは28.8%で、この調査の1年後にはインサイドセールスが30.2%まで増えると予想されていました。

小売業を除くアメリカ市場全体で見ると、営業が56.5%で、インサイドセールスは43.5%と、その割合は五分五分近く。これは双方の役割と職務が明確に定義され、完璧な住み分けができていることの現れでしょうか。実は一般の営業も業務時間の45%を電話に費やしており、電話を活用する営業スタイルはインサイドセールスのみならず、営業活動の中で当たり前のようです。

興味深いことにアメリカでは企業の代表番号に突然電話しても、部門長などシニアクラスの氏名や直通の電話番号を聞けることが多いのです。電話に出るかどうかの判断は当人次第という考え方が強いためで、日本企業のように代表電話の関門突破が難しいことはあまりありません。

しかし教わった直通電話番号に連絡をしても、本人が出る確率は限りなくゼロ%に近く、すぐにボイスメールにつながるので、メッセージを残して折り返しの電話を待つことになります。この状況があまりにも顕著なためアメリカでインサイドセールスを生業とする企業の中には、「顧客から必ず返事が来るメッセージの残し方」というようなシナリオ作成ソリューションを提供しているところもあるほどです。

電話だけをかけ続けても絶対に応じない人もいますので、確実にリーチしたい場合には電話でなくSNSを使うことが多いのもアメリカの特徴といえます。日本では転職用SNSと思われがちなLinkedinなどはビジネス用のSNSとして、インサイドセールスが活用することが多いです。

日本で行う場合の苦戦ポイントを挙げてみると

日本企業では個人に直通電話番号を割り当てない場合が多く、あったとしても個人情報保護の観点からも名刺には代表電話しか記載がない場合がほとんどで、つまりコンタクトするのが難しいといえます。

商材にもよりますが決裁権は役員クラス以上しかないことが多いため、まずは本部長クラス以上へのアプローチを試みますが、役職が高くなるほどリーチするのが難しくなるため、たとえキーパーソンを見つけても実際に会話するまでのハードルはかなり高いものとなります。

今後の状況

今後の状況

日本の場合は営業担当が顧客を訪問し、対面で商談クローズを行うのが一般的です。日本の営業魂には「直接会うことで顧客との信頼関係が初めて生まれる」や「顔を付き合わせることで誠意を伝える」というような意識があり、面談ありきの営業がいまだに重要視されているのです。しかし今後は直接会わずに商談することへのシフトも考えられます。

今はウェブ会議システムもありますので、わざわざ出向かなくても対面で商談を行うことができますので、資料はあらかじめメールで配信し、プレゼンや会議システムで行うというようなケースも増えていくのでしょう。

インサイドセールス人口が今後増えていけば、日本でも確固たるキャリアとして今以上に認識されることは間違いありません。

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