「PDCA」はWEB業界で凡人が天才に勝てる方法。〜マーケ新人の必須メモ〜
社会人になると、新人研修で習う内容の一つにPDCAがあります。また、実際に配属されてからも「PDCAを回せ」とひたすら言われます。IT企業でも同様です。
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PDCAというフレーズは昔からよく使われていますが、最近では特にインターネット業界でよく耳にするようになりました。
インターネット業界で使われているPDCAとはどのようなものなのでしょうか。
目次
インターネット業界版PDCAとは
PDCAとは、P(Plan)D(Do)C(Check)A(Action)の頭文字をとったもので、この4つを循環させていくことでプロジェクトを回すことができるというものです。大きなプロジェクトだけでなく、日々の業務にも当てはめて語られることもあります。
2000年以降に注目を集め、企業の中で急速に普及していきました。その背景には、小さなPDCAを繰り返し実行することによって大きな成功に繋がることを実感してきたことがあります。
しかし、これまでオフラインの社会で使われていたPDCAは中長期的な計画の元に実行されており、時間がかかるものでした。オフラインの社会と比較し抜群にスピードが早いのがインターネットを使ったオンラインの社会です。当然、PDCAもスピード感が求められます。
スピード感が求められるオンライン事業の例として、「サイト運営者」や「ネット広告」が挙げられます。PVや広告効果測定を、PDCAを用いて迅速に行うことによって、ネット業界では誰でも効果をあげ続けることが可能になりました。
あまりみる機会の少ない「WEBサイトで効果を上げるためのPDCAの具体的な事例」をご紹介したいと思います。
P:「まずは少しやってみる」が許される世界
WEBサイトの特徴として、やり直しができるメディアであることが挙げられます。少しやってみて失敗したらすぐに引き返すということも可能です。もしうまくいけば、そこを重点的に発展させれば良いのです。
例えば、明らかに他のページよりもみられるページがあれば、そこには必ず理由があります。その理由を明らかにすることで良いものを作ることができます。
何事も一気に全部やるのは大変なことです。そのため、まずは行動し少しやってみるということは非常に重要です。少しだけやってみると、このまま進めて良いのかそれともマズそうかが見えてきます。良さそうであれば進めれば良いですし、ダメそうであればやり直せば良いのです。
ダメだった場合でもWEBサイトはやり直しがききます。ただし何がダメだったのかをしっかり理解しなくてはいけません。次に同じ間違いは犯さないように注意しましょう。
D:大きなサイクルよりも小さなサイクルをやってみる
実際にやってみる場合、一気にやらないのが重要です。
例えば、サイトの集客や効果を高めるために写真とキャッチコピー、その両方を変えることはしないほうが良いでしょう。なぜなら、もしそれで効果が上がった場合、その要因は「写真」なのか「キャッチコピー」なのかわからないからです。
なぜ効果が上がったのか要因がわかればそれはノウハウとして蓄積していくことができますが、わからなければその後応用することができません。つまり、一気にあれこれ変えるのではなく、小さく変えることが大切なのです。
大きなサイクルを一気に回そうとするとギャンブル性が高く、さらには時間もかかります。それが途中で終了することになってしまえばPDCAサイクルとは呼べなくなってしまいます。
無理なく小さなサイクルをたくさん回していけば、成功した理由、失敗した理由それぞれがノウハウとして積み重なります。それを次のサイクルで活かしていくのです。PDCAは小さく、そして何度もたくさんのサイクルを回していきましょう。
C:アクセス解析
WEBサイトで重要なのはPDCAのCにあたる部分、つまりは検証です。Cができているからこそ次のAにつなげることができます。
代表的なものがグーグルアナリティクスです。グーグルアナリティクスは、サイトに専用のタグを設置するだけで実施できる無料ツールです。どのようにページへの流入があって、訪問者がどんなふうにサイト内を回流しているのかがわかるため、ユーザーの行動履歴を追うことができます。リアルタイムでその動向を把握することができるので、何がうまくいっていて何がうまくいっていないのかが一目瞭然です。
オフラインのPDCAとの違いは、「どうしてゴールしなかったか」が推察できることです。ECサイトであれば、解析を行うことで「どうして購買に至らなかったか」がわかります。サイトへの訪問数が少ないのであれば、集客強化という方法が必要でしょうし、コンテンツが読まれていないのであれば読んでもらいやすくするためにデザインを変えることができるでしょう。
また、購入率が低いのであれば、サイトの使い勝手(ユーザビリティ)の向上を図ることができます。しっかりと解析と検証を行うことで、このように次に改善すべきことが見えてくるのです。
グーグルアナリティクスはWEBサイトのPDCAサイクルを最も簡単に実践できる手法です。まずはグーグルアナリティクスを設定してみるのはいかがでしょうか。
A:ボトルネックの改善
検証・解析によって具体的な次の行動が見えてきたら、再行動(アクション)です。WEBサイトでいうならば、効果を上げるためには「伸ばす」よりも「直す」方が楽にできます。売上件数を増やしたい場合、サイトのボトルネックを改善すると、CVR向上が図られるので広告費をかけなくても売上件数を増やすことにつながります。
ここでも無理に大きく変える必要はありません。ボタンの色を変えてみたり、ボタンの配置を変えてみたり、文言を変えてみたりと小さなことを一つずつ直してみて、何がうまくいったかを確かめましょう。
PDCAのAの役割はもう一度Pにつなげることにもあります。ボトルネックの改善を行って成功したこと、失敗したことこれらは全てノウハウとなります。そのノウハウを活かして仮説を作り、次のプランを練りましょう。
最後に:凡人でも勝てる!PDCAサイクルは天才への第一歩
ECサイトの場合、一般的にCVRは1%ほどになります。広告費はそのままで売り上げを伸ばしたいのであれば、WEBサイトを新たに作り直すよりも直した方が効果的です。ボタンを変えたり、読み込みスピードを上げたり、キャッチコピーを変えたり、一つ一つの改善はサイト全体にしたらわずか1%にも満たないものかもしれませんが、掛け算式に効果は倍増して行きます。
WEBサイトの解決策は何も「集客を増やす」ことばかりではありません。サイトに訪問したユーザーを取りこぼさないことの方が大切だったりもします。どの方法が本来の問題解決に最も効果的なのかは検証してみなくてはわかりません。そのため、小さく何度もたくさんのサイクルを回すことが必要なのです。それが積み重なりとても大きな効果につながります。
天才とはどのような人たちをイメージしますか?ほかの人にはない圧倒的な能力や発想、カリスマ性などでしょうか。また、天才というものは一つのことに突出しているものの、ほかのことは苦手という特徴もあるかもしれません。PDCAには天才にありがちな、驚くようなアイディアやスーパーシュート、常人離れした行動力は不要です。
それよりも、すぐにできる小さなことをコツコツと実行し検証し、そして次につなげていくという誰にでもできることをやっていくことが重要なのです。それを繰り返すことで凡人が天才にも勝てるようになります。こうした限られたコストや能力や発想の中で、最大の効果を狙えるのがPDCAサイクルなのです。
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