2020年 仮想通貨は日本で普及するのか?デジタルマネー元年がはじまる。

2020年 仮想通貨は日本で普及するのか?デジタルマネー元年がはじまる。

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仮想通貨の概念は、1995年にアメリカ合衆国上院で言及され、2009年には仮想通貨という用語が生まれました。そして2017年後半に、仮想通貨が世界的にブレイクすると予想されましたが、アメリカ、ヨーロッパのユーロ圏、日本の先進国では想定通りには進んでいませんでした。

ところが2019年に香港の逃亡犯条例改正によるデモの勃発や、米中の貿易戦争の長期化により、資産としての仮想通貨の位置づけに変化が見られてきました。

仮想通貨って何の為に存在するのかを、理解し切れていない消費者が未だに多いですし、システムの脆弱性で大損をさせられるなど、様々な中傷が今も飛んでいます。今回は仮想通貨は我々の生活でどんな役割を果たすのか、そして今後日本でブレークするのかを確認していきましょう。

仮想通貨の定義

仮想通貨には中央銀行など公的な発行主体や、管理者が存在しません。つまり国や中央銀行によって発行されている法廷通貨とはまったく関係がないものです。インターネットを通じて、不特定多数の間で物品やサービスの対価として使用するもので、多くの仮想通貨は、ブロックチェーンと呼ばれる技術を採用しています。

もちろん仮想通貨専門の取引所を介して、円やドル、ユーロなどの法定通貨と交換できますから、おもちゃの紙幣を使うこども銀行とは違いますね。現在仮想通貨の種類は1,500 種類以上あり、日本では11種類の銘柄が購入可能です。

日本の状況

2016年に成立し、2017年4月に施行された改正資金決済法の第2条第5項で、仮想通貨が正式に定義付けられました。その際マネーロンダリング(資金洗浄)対策として仮想通貨の交換業者に登録制を導入しましたが、ハッキングによる仮想通貨の不正流出や、マネーロンダリング対策の不備といった問題が後を絶たず。この事態を重くみた金融庁では、規制強化に向けた有識者会議を立ち上げてルールづくりを進めました。

2019年5月には取引に関する規制強化策を盛り込んだ、改正資金決済法と、改正金融商品取引法が参院本会議で可決し、成立しました。これらは2020年4月に施行される予定です。

その際国際会議で使う用語(cryptocurrency=暗号通貨) にあわせ、円やドルなどの法定通貨との誤認を防ぐ目的で、今後の行政手続きで「仮想通貨」は、「暗号資産」に改められることになります。

現在の日本のフェーズは、仮想通貨の取り組みについてようやく制度が整い、他国と歩調を合わせ始めたところといえますね。

仮想通貨の代表格

仮想通貨の代表格

日本で知られた仮想通貨について、確認しましょう。

1. ビットコイン (Bitcoin)

仮想通貨の中で最も知られ、底打ちのシグナルが見られると言われながらも、未だNo.1の時価総額を誇るのがビットコイン。2008年にサトシ・ナカモトという人が、Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash Systemという論文をインターネット上で発表したことから、その歴史が始まりました。サトシ・ナカモトの正体は未だに不明で、日本人なのか否かそれすらも謎のまま。

ビットコインはブロックチェーン暗号技術を採用しており、その単位はBTCと表記され、1円や1ドルのように、1BTC(1ビットコイン)と数えます。

ビットコインを使っている個人同士は直接送金ができ、しかも手数料は格安、そして世界中で同じ通貨単位でやり取りができますが、価格の変動が大きく、決済に時間がかかる点、決済サービスが充実していないのが残念な点です。

2. イーサリアム (Ethereum)

イーサリアムはヴィタリック・ブテリン氏によって開発されたプラットフォーム。このプラットフォーム内で使用されるのが、イーサ(Ether)で単位はETH 。日本ではプラットフォームを意味するイーサリアムと、通貨単位を意味するイーサ、どちらもイーサリアムとする表現が一般的です。

イーサリアムにはブロックチェーン上に契約を書き込むと、それを自動的に実行するスマートコントラクトがあります。例えば「1年後に自分の口座からAさんに5ETH支払う」という契約があるとすると、1年後はAさんに自動的に5ETH支払われるしくみ。

ビットコインと異なり送金が迅速にでき、発行上限がないこと、スマートコントラクトと合わせて運用することで、堅牢なセキュリティが確保できることがイーサリウムのメリットですが、ユーザー増加に伴うスケーラビリティ問題が課題です。

3. リップル (Ripple=XRP)

リップルはアメリカのベンチャー企業である、Ripple Labs Inc. が開発した、銀行間送金システムです。そしてそのシステム内で使われる仮想通貨がXRPなのですが、XRPをリップルと呼ぶ人も少なくありません。リップラーと呼ばれる、熱狂的ファンが多くいることでも知られています。

リップルが開発された目的は、国際送金を安く早くすることです。現在の国際送金にはSWIFTが採用されています。SWIFTは複数の銀行を経由して送金が行われているため、リードタイムが長く、手数料も高い。一方リップルを利用すると銀行を経由する必要がないので、早くて手数料もかからないので、国際送金システムの標準が将来変わる可能性が大です。

ビットコインなどと異なり、最初から世界中の銀行と提携して実用化が勧められている点や、ブロックチェーン技術を使っていない点も、リップルのユニークなところです。課題をあげてみると、リップルはRipple社が管理する中央集権的なシステムなので、Ripple社に何か問題が起きると、リップルの信用もなくなるリスクがありますが、将来的には分散型ネットワークに移行すると発表されています。

リップルは日本の61の銀行と提携し、XRPの技術を使って日本人の送金サービスの向上を実施するべく、内外一元化コンソーシアムという組織を立ち上げました。このコンソーシアムには、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほフィナンシャルグループやゆうちょ銀行など日本のメガバンクが加盟しています。

大手銀行の取り組み

大手銀行の取り組み

日本の大手銀行各社でも仮想通貨対応に動いていますが、相対的に進捗は遅れ気味。

Jコイン

当初2018年に発売が開始されると言われていましたが、遅れること2020年にリリースされる運びです。一般公開された後にJコインが購入できる場所は、みずほフィナンシャルグループ(みずほ銀行)を筆頭に、ゆうちょ銀行、地方銀行数十行で、これらの銀行が仮想通貨取引所を開設し、そこで売買がおこなわれるようになります。

Jコインで期待されるのは、次の3点と考えられます。

1.キャッシュレス化を推進

Jコインがナショナルインフラとして普及すれば、日本の消費者が安心して仮想通貨を使うので、仮想通貨の流通を通して、キャッシュレス化が進むはず。

2. キャッシュレス化によるコスト削減

キャッシュレス化の促進によって、現金管理とATMの運営でおよそ2兆円かかっていたコストの削減が期待ができ、Jコインの普及で店頭でのオペレーションを効率化できるので、店舗の固定費削減につながること。

3. B2Bや国際的なJコインの活用

現段階でのJコインは、日本国内でのみ個人客が利用可能な仮想通貨と位置づけられていますが、近い将来には国際的なビジネスでの利用も。

MUFJコイン->coin

三菱UFJ銀行では、日本の銀行では初となる独自の仮想通貨であるMUFGコインを2019年度中に発行する予定でした。銀行自らが取引所の役割も担い、専用アプリで24時間365日送金でき、加盟店での買い物の支払いでも使え、さらに手数料も大幅に引き下げられるという夢のような内容で、実用化が待たれていました。

サービス開始のニュースはなかなか聞こえてきませんでしたが、2019年12月にリクルートホールディングスと共同で、新会社の設立が発表されたのです。日本経済新聞の報道によると、新会社の出資比率はリクルートが51%、三菱UFJ銀行が49%となる見通しで、資金決済法に定められている資金移動業者として、仮想通貨coin(MUFGコインからの改称)の発行を手掛け、2020年前半のサービス開始を目指すというもの。

coinをリクルートのネット予約サービスのホットペッパーや、宿泊予約サービスのじゃらんネットなどで使えるようにし、さらに同社の求人サイトを通じて、若年層の取り込みも図ると見られます。

他国の予想

他国の予想

他国では仮想通貨の今後どうする計画でしょうか、いくつか紹介しましょう。

ドイツ

これまでドイツの銀行が仮想通貨資産に直接アクセスすることは禁止されていましたが、第4次EUマネーロンダリング指令を施行する新法によって、その状況は変わる可能性があると、独経済紙ハンデルスブラット(Handselblatt)が、2019年11月に報じました。

同法案はすでにドイツ連邦議会を通過しており、連邦の16州が署名する見通しです。2020年に施行される予定のこの法案では、ドイツの金融機関が従来の資産と同様の方法で、仮想通貨も使用可能とするので、株式や債券などの証券と同様に、顧客に対し仮想通貨の販売や、資産運用ができるようになるのです。

仮想通貨先進国として、ドイツが名乗りを挙げたということでしょうか。

アメリカ

金融サービス企業のオーストラリアFinderが、最近アメリカ人を対象に行った調査によれば、アメリカの3,650万人が、仮想通貨を何らかの形で保有していることが明らかに。

そして仮想通貨を保有するアメリカ人は、2018年の7.95%から2019年には約2倍の14.4%に増加したことがわかりました。このことから一般人にも少しづつ仮想通貨が浸透しているといっても良いのではないでしょうか。

アメリカでの仮想通貨の普及には、まだ時間がかかりそうですが、着実に前進していることは確かなようです。

中国

2019年10月末に、仮想通貨技術を中国がリードすると発言し、「仮想通貨の父」と一瞬称された習近平国家主席でしたが、1ヶ月も経たないうちにその取り締まりを始めたので、中国国内で混乱が起こりました。

その後2020年1月に北京市地方金融監督管理局が、仮想通貨への取り締まりを強化する方針を強調したのです。仮想通貨の存在を許さないと発言し、本社が海外でも取り締まる意向のようです。これは仮想通貨に関係する、詐欺事件の増加に対しての警告とみなされます。

加えて中国の法定デジタル通貨は、今後スタートする中銀デジタル通貨だけであり、仮想通貨交換所にライセンス制を導入する可能性もないと述べられました。

中国はブロックチェーンを技術の活用を国策として推進していますが、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨取引を禁止しています。しかし中国だけが規制しても、うまく行かないと思いますが。

仮想通貨の今後の運命はいかに

仮想通貨の今後の運命はいかに

まず日本で仮想通貨決済が普及しない最大の理由は、現金主義が根強くて、キャッシュレス決済の文化がまだ定着していないこと。ではその日本で仮想通貨を定着するにはどうしたら良いでしょうか。

情報収集に長けた日本人の、仮想通貨の認知度は比較的高いと想定できるので、あとは仮想通貨に対するイメージの改善が絶対条件。

加えて支払いや決済手段として、仮想通貨を利用できる場所が増えることも必要ですし、仮想通貨特有の課題である、スケーラビリティ問題の解決も必要でしょうが、仮想通貨を使わないという選択肢は今後なくなると考えられます。

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