WEB業界人が学んだ、生涯年収をUPする「お金の科学」

WEB業界人が学んだ、生涯年収をUPする「お金の科学」

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WEBマーケ担当が「キャリア変更」による生涯年収について調べてみた。
「マーケティング担当者に読んで欲しい!お金を「経営」する力」について

Webマーケティングという仕事は企業のお金をいかにして稼ぐか、という金融知識と密接に関係があるにもかかわらず、お金のことについて勉強せずに働いているWeb担当者は多いです。

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しかし、そのままではWebマーケティングの効果は半減し、会社自体がお金を稼げなくなって、労働者の給与も上がりません。企業の売上をいかに最大化するか、この重要なポジションで働くマーケターほど、お金に関する深い知識が必要でしょう。

今回はWebマーケティング会社で働く1人の青年、児玉のストーリーを追いながら、金融知識を得るメリット、どのように年収に影響するのか、勉強方法などについて詳しく紹介します。

年齢による適正年収を知る人は一体どれくらい?

年齢による適正年収を知る人は一体どれくらい?

現在32歳の児玉健太は、とあるWeb制作・マーケティング会社で働いている、いわゆる一般的なサラリーマン。

昔からパソコンやインターネットを触って遊ぶことが楽しく、Webマーケティング担当者として入社できたことにも満足していました。

児玉の給与は年収340万円と、政府の民間給与実態統計調査の平均457万円と比べると決して高くはありません。
しかし、現在独身でこれといった物欲もない児玉は、これまでの仕事でそれほど給料のことを意識したことはありませんでした。

そんなある日のこと、児玉のもとに1通のメールが届きます。1か月後に同窓会が開催されるようで、久しぶりに昔の仲間とワイワイできるかと思うと途端に嬉しくなり、当然のように承諾のメールを返しました。

1か月後、児玉は予定通り同窓会に参加し、中学生時代の仲間たちとお酒や食事で楽しい時間を過ごしていました。そんなおり、中学時代に最も仲の良かった中島から、「お前どれくらい稼ぐようになったんだ」という話題が飛び出します。児玉は特に臆することなく大体の年収を伝えますが、中島からは思いもよらぬ返答が。

お前の給料少なすぎるんじゃないのか?

児玉はWebマーケターという仕事にやりがいを感じ、今までは特に周りの人の年収を気にすることなく過ごしてきたのです。しかし、中島のたった一言によって児玉の心は大きく揺さぶられることになります。

「向こうで飲んでるの、頭が良かった前田だろ。あいつ、お前と同じような仕事してるくせに今では部長に昇進して、年収600万円近く稼いでるそうだぜ。お前の業界ってそんなに収入の差が激しいのかよ?」

児玉は、前田が大学卒業後に自分と同じWeb業界に入社したことを知っていました。しかし、自分と前田との年収には倍ほどの差があることに、児玉は愕然となります。まさか、同じ業界で、同じような仕事をしていたにも関わらず、一方は出世し、もう一方は平社員のまま。児玉はこのとき、「自分も何とかしなければ」という思いを抱くようになりました。

なぜマーケターにお金の知識が必要なのか?

なぜマーケターにお金の知識が必要なのか?

児玉の例を挙げたように、自分の年齢に該当する適正な年収を把握する人はあまり多くありません。

民間給与実態統計調査では、

  • 30~34歳の男性平均年収は457万円、女性でも315万円
  • 35歳以上になると40歳までに平均512万円の年収がある男性、女性は300万円

と発表しています。確かに、児玉のように、「仕事はお金じゃない、やりがいが大事だ」とがむしゃらに働くことも大切でしょう。

しかし、32歳にもなると、この先は結婚や出産、育児、両親の死、引っ越しなど、多くのお金がかかる現実と向き合っていかなければなりません。もちろん、やりがいもあって収入も多い仕事が理想的ですが、もしそうでない場合は、自分の経済状態をしっかりと把握することも重要です。

では、なぜ同じ業界で働く前田が、児玉より2倍近くも収入で差をつけるのでしょうか。先ほどの続きを見ていきましょう。

よお児玉じゃん、どうしたんだそんな暗い顔で

先ほどから自分の経済状態のことで頭が一杯になっていた児玉は、目の前に座った前田を認識するまでに時間がかかりました。中学時代には児玉と前田は仲が良く、いつも公園でサッカーをしたり、前田の家でゲームなどを楽しんでいたほどです。

仲の良かった前田が現れると、先ほどまでの児玉の悩みは徐々に緩和され、彼と話す内に少しずつお酒のペースも上がってきます。すると、児玉は無性に前田の成功について聞きたいという思いが高ぶってくることに気付きます。

そこで、徐々に前田と仕事の話しをするように誘い、会話の糸口を探ることにしました。

中島から聞いたけど、お前部長に昇進したんだって? どうやってそんな若さで出世の階段を昇れたんだ?

最初、前田は少しだけいぶかしげに首を傾けましたが、すぐに児玉の方へ向き直りある一言を発しました。

「お金について学ぶことがWeb担当者を成長させる」

マーケターがお金の勉強をすることで得られるメリット

このときの児玉には前田が果たして何を言っているのかさっぱり理解できなかったはずです。なぜなら、このときの児玉は「お金について知る=年収アップに繋がる」ことをイメージすることができなかったからです。

では、なぜお金について学ぶとWeb担当者の収入に良い影響を与えるのでしょうか。それは、Web担当者が行っているマーケティングという仕事にヒントがあります。マーケティングとは、開発した商品をいかにして売るか、どうやって大量かつ効率的に売るかを考える仕事です。その内容は商品開発から製造、輸送、保管、販売、宣伝まで多岐に渡り、簡単に言い換えるとしたら、「会社の売上をどうやってシステム化するか」を考えます。

つまり、マーケティングの仕事は会社のほとんどのお金の流れを効率的に動かす仕組みです。では、このお金を動かす仕組みを作るのに、お金のことがよく分かっていない担当者に仕事が務まるのでしょうか。

答えはノーです。お金の流れを作る仕事をするには、「お金について知る」ことが絶対条件と言えるでしょう。ただ、現実のWeb担当者にはお金の仕組みを知らずに、マーケティングの表面的な知識や技術を頼りに働いている方が多いです。しかし、それでは企業のお金を生み出すことが出来るわけがないので売上が思うように伸びず、児玉のように低年収に悩む人が現れます。

しかし、何かを学ぶことに年齢は関係ありません。始めようと思えば、誰でも今すぐに行えるのが人間の良いところで、実際にお金の知識を付けることで様々な恩恵を受けることもできます。

経営者の視点から仕事の意義が見いだせる

経営者は必ずお金の深い教養を持っています。そうしなければ会社を上手く運営していくことができないからです。ただ、企業の経営で考えると規模が大きくて分かりにくいので、ここでは個人事業主の視点から経営を考えていきます。

私は普段フリーランスとして活動していますが、いうなれば1人の経営者として活動しているのと同じです。フリーランスにはお金の知識が絶対に必要です。これは誰でもイメージしやすいと思いますが、日々の売上と経費を集計し、利益を出すにはどれだけの収支改善が必要となるか、を把握しないことには事業は継続しません。

そのため、フリーランスという職業は企業経営者と同じく、常にお金と密接に関わっていく必要があるのです。

裏を返せば、お金のことを学ぶということは経営者の視点に近付けるということになります。どれだけの売上があり、そこから何%を投資に回し、何年後にどの程度の利回りとなって回収できるのかという、経営には欠かせない視点から物事を考えることができるでしょう。

幸いなことに、企業経営者の多くは、こうした経営的な観点から仕事ができる人材を欲しがっています。上記のような経営の根幹に関わる戦略を考えることができる人材であれば、経営者も安心して仕事を任せられるからです。

経営者に好かれると企業は絶対にその人材を手放そうとしません。高い給与を支払ってでも会社に残るように説得するでしょう。つまり、お金について勉強し経営的な視点を身に付けることは、労働力の希少性に繋がるということです。

身の回りのお金を「経営」してみよう!

身の回りのお金を「経営」してみよう!

お金について正しい知識を付けたり、正しい判断ができることを「金融リテラシー」といいます。金融リテラシーが高いほど、お金を増やしたり、貯金することに優れていると言えるでしょう。

金融リテラシーを身に付けることは、「経営」という言葉と密接に関わり合っています。経営とは、簡単にいえば「ヒト・モノ・カネ・トキ」の4つの要素を上手に活かして、より多くの資産や価値を生み出すことです。そして、会社を経営するように、お金も「ヒト・モノ・カネ・トキ」を使って、新しい価値を生み出すことができるのです。

たとえば、1,000万円で不動産投資を行ったとしましょう。その内700万円はローンを組み、月に5万円ずつを返済にあてたとします。不動産は5階建てのマンションで、合計15部屋の居住者を集めることができます。想定家賃は1部屋につき4万円で、空室率は20%の計算です。

すると、このマンションを運営していると家賃収入だけで毎月48万円が期待できます。しかし、マンション管理が大変なので、入居者の相談やトラブル、清掃などのいっさいを管理会社に任せました。管理会社の費用は月に5万円なので、返済金と合わせると一か月10万円のマイナスです。つまり、最終的に受け取れる家賃収入は38万円、ローン以外の不動産購入費300万円は1年以内に回収できるでしょう。

上記の例では、「ヒト・モノ・カネ・トキ」を活かして、家賃収入という価値を生み出していることが分かります。ヒトは管理会社(管理人)、モノは不動産、カネは投資金、トキは不労所得、つまり管理会社などを使って自分の時間を無駄にせずに収益をシステム化しています。

このように、普段からお金に関わる生活を送ることで、自然と金融リテラシーは向上するのです。また、同時に4つの経営資源の効率的な活かし方も学べるため、金融リテラシーの向上が経営スキル獲得に繋がっています。

金融リテラシーを身に付ける方法は不動産投資以外にも、株式投資、資産運用など様々ですが、こうしたものは元本割れするリスクも潜んでいます。そのため、まずは手始めに身近な方法でお金に触れる機会を作りましょう。

お金を経営する仕組みを作る

お金を経営する仕組みを作る

お金に触れる身近な機会とは、私たちが誰でも普段から行っているお金の管理方法です。そう、家計の収支管理ですね。

収支管理と聞くと難しく感じますが、要は「家計簿」のことです。今まで家計簿を付けたことがないという方でも、会社から受け取る給料や、月々に出費する大まかな金額は把握しているでしょう。それを今度は家計簿に記載し、しっかりと管理を行うことが金融リテラシーの向上に役立つのです。

家計簿には子供っぽい響きがありますが、実は「ヒト・モノ・カネ・トキ」の経営感覚を付けることにも向いています。現在の収支状況を把握し、日々の支出を見直して、収入を高めること。この家計簿の基本的な考え方は経営の方法と通じる部分が多いです。

では、この家計簿を利用して「お金を経営する方法」を詳しく解説していきましょう。

現状の収支を把握する

家計簿を付ける目的は、次の期(来月)の目標や戦略を立てるためです。たとえば、利益(所得)をあと2万円増やすには、今月の支出を1万円抑えよう、など目標を立てることで、手元に残るお金(資産)が増え、より豊かな人生へと繋がるでしょう。

お金に関わらず、目標やゴールを設定するときは最初に現状把握からスタートします。来年は海外旅行にいく目標を設定しても、今手元にどれだけお金があって、毎月どれくらい貯金に回せるのかという収支状況が分からなければ、海外に行けるのは10年後、20年後になるかもしれません。

家計簿を付けるときの収支状況は、とにかく毎日出費したものを項目ごとに記帳することが大切です。項目は家賃や水道光熱費、駐車場代、スマホなどの通信費、食費、交際費、タバコ代などで分類します。項目ごとに集計する理由は、後で見返したときに、どの項目の出費が多いのか分析できるからです。

家計簿をとるようになると、実は自分の収支状況がマイナスだったなんてことも浮き彫りになるかもしれません。

目標と予算を決める

収支状況の把握が終われば、一か月にどれくらいの所得があったかが分かります。個人の所得は、収入-経費のことで、企業でいえば利益に当たります。

その所得は自分で自由に使えるものなので、今度はそれを利用していかに新しいお金を生めるかを考えましょう。たとえば、債券投資で利息を受け取ったり、株式を購入して配当金を獲得しても良いです。大切なのは、資産運用や投資にいくら回して(予算)、どれくらいの収益が期待できるか(目標)を決めることです。

お金は自動的に貯める

貯金は所得ではなく支出(経費、出費)に当たりますが、貯金する金額はあらかじめ決めて、自動的に積み立てる方法で行いましょう。たとえば、民間銀行の自動積立て定期預金や勤め先の財形貯蓄など、給与が振り込まれたと同時に一定額を自動で貯金に回してくれます。

自分の財布から自分の手で銀行口座に貯金することもできますが、どうしても人間なので、「毎月1万円貯金したいけど、今月だけは5,000円に」など、そのときの状況によって貯金額が変動してしまうこともあるでしょう。自動積立てサービスや財形貯蓄などの場合は、人の意思を考えずに、確実に設定金額通りにお金が貯めれます。

効果の検証と改善を行う

目標と予算設定、その後の投資や資産運用を1年間行った後は、必ず効果の検証や改善を行いましょう。期待した利回りや収益性が実現しているのか、実現できなければ何が不足していたのかを分析することで、次回はより大きな資産形成が可能です。

まとめ

まとめ

今回はWeb担当者に向けた金融リテラシーの重要性、その学び方を紹介してきました。

金融リテラシーを身に付ける方法は様々で、投資や資産運用のほかにも、自分で事業を起こしたり、商品を販売することで必ず習得することができます。しかし、こうした方法はリスクが高く、知識や情報なく始めてしまうと失敗してしまう危険性もあります。

そのため、まずは誰でも始められる「家計簿」からスタートし、金融リテラシーの基本的な知識を押さえましょう。家計簿で必要な、「収支管理」、「目標・予算設定」、「検証・改善」という方法は、他の投資や資産運用にも活用できます。まずは基本をマスターすることから始めてください。

 

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