音声検索とマーケティング|SiriやAlexaは家族の一員になれるか

音声検索とマーケティング|SiriやAlexaは家族の一員になれるか

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音声検索の歴史とAs Is

音声検索の歴史とAs Is

コンピューターによる音声認識は、何十年もの間その実現は5年から10年先だと考えられてきました。エレクトロニクス業界とコンピュータ業界では、音声で操作できるコンピューターの開発という目標を、何と100年近く前に設定したのです。

2008年にグーグルはモバイル用アプリに音声認識での検索機能(Voice Search)を導入し、その日本語版(Google音声検索)は2009年に発表されました。会社設立から10年ほどで音声検索のサービス開始に到達したことは、驚くべく事実です。現在は同社のOSであるAndroidや、アップルのOSのiOSでこの機能を提供しています。

グーグルはChromeブラウザーにもその技術を展開しています。現在日本語でも音声検索が実装されています。以前は検索語を音声で入力するだけで、回答は検索語の含まれるページの一覧を返す形でしたが、会話式の音声検索では質問の意図と、同社のナレッジベースであるKnowledge Graphを突き合わせ、答えが分かる場合には、音声で直接回答できるようになりました。

日本で音声検索が広まったきっかけとは、2012年にアップルのiPhoneに搭載されたチャットボットであるSiriが日本語に対応されたことですが、まず音声検索の実用性を多くの日本のユーザーに知らしめたのは、2009年に発表されたGoogle音声検索と考えられます。

スマートフォンが全世界に広まったこともありますが、今では音声を通じて何かを探すユーザー行動が、現実のものとなりました。ユーザーの検索行動は音声による検索に急激に移行していますが、それはかつて一般ユーザーにとってメインとなるデバイスが、PCからスマートフォンに移行したのと同等の、あるいはそれより速いスピード感で進行していると考えられます。

音声検索利用者の利用場所について、2016年時点でのアメリカの面白い調査結果を見つけました。

  • 51%は車内で利用
  • 39%は自宅で利用
  • 6%は公共の場(外出先)で利用
  • 1%は職場で利用

アメリカ人もその当時では公共の場での利用は6%と低くかったのですが、今では世の中が音声検索フレンドリーに変わりつつあると思います。日本でもスマートフォンに小声で音声検索している人を時々見かけるようになりました。

音声検索と従来の検索の違い

従来の検索方法で得られる結果は、ユーザーの検索スキルのレベルに左右されます。ユーザーは検索エンジンにヒットしそうなキーワードを使用して、インターネット上で検索をしますが、画面のないデバイスでは検索することができませんし、検索中はPCやスマートフォンなどのデバイス画面から離れられません。それなのに検索スキルが低いと必要な情報にたどりつけないので、それをストレスに感じるユーザーが少なくありませんでした。

一方音声検索では、単に話し言葉で検索エンジンに話しかけるだけなので、デバイス画面がなくても、画面に集中しなくても、そして検索スキルがゼロであっても検索できてしまいます。さらに音声によって検索結果が伝えられますが、音声が読み上げられるのは最初の検索結果のみですから、情報過多で頭がパンクすることもありません。もちろんその結果だけで足りない場合は、従来の検索と併用すればいいのです。

音声アシスタント

音声アシスタント

2016年からアメリカ先行で急速に普及した音声アシスタントが、音声検索の広がりに一役買っています。グーグルのGoogle Assistant、アップルのSiri、アマゾンのAlexa、サムソンのBixby、マイクロソフトのCortanaなどが猛烈なスピードで市場に浸透しています。 それらの日本語能力はこの2-3年で随分成長していますので、日本人の多少の滑舌の悪さは、キャッチアップしてくれるようになりました。

相手が誰でも同じトーン

音声アシスタントを活用しての音声検索も、ウェブサイトの膨大な検索画面のスクロール作業から人をいくぶん解放してくれましたが、ある時音声アシスタントの対応が、相手が誰であっても、丁寧な言葉を使い、同じトーンで同じ速度であることに気がつきます。丁寧なのはいいことですが、慇懃無礼な感じもして、それが徐々に耳障りにすらなる場合があります。

人であれば相手の年齢、性別、立場などで、口調や使う言葉を使い分けます。人と人とのコニュニケーションであれば本当に普通のことですが、今の音声アシスタントの能力ではほとんど不可能です。

さらに言えば音声検索には定型のQ&Aデータが仕込まれていますので、頻繁に聞かれることや言葉に関しての受け答えには、音声アシスタントが即座に対応できるので気持ちがよいのですが、時折ニッチな言い方や珍しい用語を使うと「すみません、わかりません」とSiriやAlexaにバッサリ切り捨てられます。

そうなると人の方が気を使って言葉を選ぶようになり、もっともそれの行為自体初めのうちは面白いがることができますが、だんだん使うのが面倒になって、ついには無用の長物になることもあります。これが優秀であるはずの音声アシスタントが家族になりきれない瞬間です。

HAIに期待しよう

ヒューマンエージェントインタラクティブ(Human Agent Interactive=HAI) とは、人がストレスフリーでありながら、どのようにチャットボット・音声アシスタント、そしてロボットと上手くつき合っていくのか、またそのためにはどのようなインタラクションを設計すればよいのかという課題の解決に挑戦する新しい研究分野で、日本で研究がスタートしました。

簡単に言えば人が持つ愛、信頼、裏切り、共感、協調などの人間の基本的で日常的なインタラクションを人以外のエージェントとどのように分かり合えるか、そのためにはどんな学習をさせるべきかという研究ですので、それは音声検索にとってもポジティブな研究といえるでしょう。

HAIの研究が進めば、音声検索で最適な答えを得るために人が言葉を選んで検索エンジンに話しかけなくとも、あるいは回答の言葉遣いが奇異なこともなくなっていくでしょう。そのレベルに音声アシスタントたちが達したならば、SiriやAlexaはどの家庭にもなくてはならないものとなり、家族として迎えられることでしょう。

音声検索で変わるデジタルマーケティング戦略

音声検索で変わるデジタルマーケティング戦略

音声検索の普及により、デジタルマーケティングの方法も変える必要が生じてきます。

コンテンツの絶え間ないブラッシュアップ

音声検索になると、Siri や Cortana はユーザーが求める最適な答えを1つだけ提供することはすでにお話しましたね。つまり企業にとって、自社のコンテンツが検索エンジンの1ページ目に表示されているだけではもはや不十分であり、絶えず検索エンジンの1位に選ばれているという状況を作り出す必要があるという、非常にシビアなコンテンツの最適化が求められることになります。

ロングテールのキーワード

音声検索になると従来の検索よりも、検索ワードがより具体的になります。例えば有楽町でレストランを利用しようとする時、今までは多くの人が「有楽町 レストラン」と検索することが想定できましたが、音声検索だと話し言葉になりますから、「有楽町で口コミ数が多いレストランを教えて」と検索するユーザーが出てきます。そうすると検索エンジンが認識するのは、「有楽町 口コミ 多い レストラン」となるわけで、よりロングテールのキーワード対策が必要になります。

以上の点を鑑みてどのようなSEO対策をしたら生き残れるかについては、未だ確立されていませんが、少なくとも次の点は考慮すべきでしょう。

  1. 音声検索は詳細で具体的なものになるため、ロングテールのキーワードをブラッシュアップし、より綿密な対策を講じること。
  2. 音声検索では「~ってなに?」、「~ってどうするの?」、「どこで~?」、「いつ~?」、「~はどっち?」、「なんで~?」といった会話の用語が使われることが増えるので、文脈の関連性を競うことになるため、5W1Hに分けたコンテンツを用意すること

今後の検索方法、音声検索がメインか

今後の検索方法、音声検索がメインか

調査会社である米ComScore では、2020年まで全てのインターネット検索の50%が音声検索になり、2020年までに検索の30%が画面なし行われると予測しています。

また市場調査・コンサルティングサービスの米Tracticaは、2021年までに18億の人々が音声アシスタントを活用するようになると述べています。

音声検索の精度はかなりのレベルまで到達しています。AIが学習することが困難とされる日本でさえ、音声認識が80%のレベルまで上がってきているです。

しかしながら専門的な分野での音声検索のニーズは、一般家庭のそれとは違いますのでまだまだ進化は必要です。そのあたりを踏まえたうえで、音声検索が自然会話をしていくには、AIのディープラーニングなどによる機械学習が、さらに必要になるということなのでしょう。

今後の検索方法はデバイスによって変わってくるでしょう。なぜならデバイスによって、検索する場所や、検索する目的そして検索内容の度合いが異なるからです。

PC

Chromeなどのブラウザー上でも音声検索ができるようになりましたが、PCの場合は依然として画面を使った検索がメインでしょう。検索内容によって音声検索と使い分けたり、両方を併用することも継続されるでしょう。

スマートフォン

スマートフォンで音声検索を行う場合も音声で答えが返ってくる場合と、検索結果が画面に表示される場合があります。スマートフォンの画面は小さいので、音声検索がメインになることは明らかですが、ユーザー別にカスタマイズされたページを利用することで、画面を使った検索方法も補完的に残ることでしょう。

AIスピーカー

AIスピーカーは家に置いて使うので、スマホのように現在地が変わることはありませんし、画面がありませんから、音声検索のみしか方法がありません。現在AIスピーカーで検索すると、具体的には1番目しか教えてくれず、2番目以降は教えてくれません。2番目以降の情報が欲しいときもありますのでその場合は「2番目は?」と新たに聞かなければなりませんので面倒です。これもパーソナライズされた検索結果が出せるようになれば、ユーザビリティがアップし、音声検索より使いやすくなりますね。



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