エシカル消費が、企業や経済活動も変える。

エシカル消費が、企業や経済活動も変える。

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「エシカル」という言葉を聞いたことがありますか。時々新聞や雑誌などで目にするようになりました。ここ最近エシカルな考え方に基づく消費である、エシカル消費が注目され始めています。

今回は一人一人がエシカル消費を実行することが、どのような意味を持つのかを一緒に考えてみましょう。

エシカル消費とは何か

エシカル消費とは何か

エシカル(ethical)とは辞書によれば倫理的、道徳的というのが一般的ですが、今言われているエシカルはその一般的な意味に加え、地球環境や人、社会、地域に配慮した考え方のことを指します。

そしてエシカル消費とは人類や社会、環境に配慮した商品やサービスを自発的に選択して消費することです。倫理的消費やエシカル消費と聞くと、何となく堅苦しくて身構えてしまいそうですが、実は日常生活の中で通常行なっている消費行動とさほど変わらないことも多いのです。

毎日何気なく行なっている消費の視点を少し変えるだけで、社会に変化を及ぼすことができる最もシンプルで身近な取り組みこそがエシカル消費なので、いつからでも誰にでもできるということが最大のアドバンテージです。

では具体的にどんな取り組みがエシカル消費なのか、まずは身近な例を挙げてみましょう。

  •  近所の八百屋で地元産の野菜や果物を購入する
  •  食事は残さず食べる
  •  移動には車でなく公共交通機関を利用する、近くであれば自転車を利用するか歩く
  •  被災地の商品を積極的に購入して応援する
  •  途上国の生産者を支援するために、少し高くてもフェアトレード商品を購入する

どうですか、いつもやっていることや経験したことではありませんか。

なぜ今エシカル消費なのか

なぜ今エシカル消費なのか

2018年10月の経済協力開発機構(OECD)の最新の報告書である2060年までの世界物質資源アウトルック (The Global Material Resource Outlook to 2060) によれば、世界の人口が100億人に達し、1人当たりの所得平均が現在のOECD諸国の水準である4万米ドルに近づくため、世界全体の資源利用量が現在の90億トンから、2060年には167億トンにまで増加すると予測されているのです。

具体的な対策を立てないと、バイオマス、化石燃料、金属、非金属鉱物などの資源の採掘と加工がどんどん増えていき、その結果大気や水質、そして土壌の汚染および汚濁が悪化し、気候変動にも深刻な影響を及ぼすと考えられます。

現代ではメインとなる産業が製造業からサービス業に徐々に移行し、さらに製造業の効率が継続的に改善した結果、GDP (Gross Domestic Product=国内総生産)1単位当たりの資源利用量が減少しているにも関わらず、世界全体での資源利用量は依然として増加しているのです。もっとも製造業からサービス業への移行と効率改善がなければ、環境への影響はもっと深刻でしたから、最悪の事態は免れたといえますが。

日本の資源利用量を劇的に減らすためには政府の旗振りも大切ですが、消費者一人一人が草の根運動的にエシカル消費を意識して実践することが有効といえますし、エシカル消費で消費者が社会貢献できるのです。これは素晴らしいことではないでしょうか。

開発途上国の生産現場では

開発途上国の生産現場では

世界の緊急課題として引き続き貧困、人権が挙げられています。

日本人のほとんど全ての人は自分が今着ている洋服が、誰がどのように作っているか知りません。なぜなら手にした商品について、素材のことは明らかでもそういった詳細情報はまず提供されていないからです。ですから製造過程で他の人や他国の環境を犠牲にするような問題が起きていないとは言い切れません。 つまり購買という行為を通じて、知らぬ間にそういった問題に加担しているかもしれない危険性があるのです。

生きている限り人は毎日の生活で何かを消費して生活をしていますが、洋服の原料となる綿、コーヒーや紅茶、チョコレートの原料となるカカオなど、多くは開発途上国で作られていることは周知の事実です。そしてその生産背景には貧困からくる労働搾取や児童労働、さらに環境破壊といった深刻な問題が潜んでいます。

現実にあった話を一つあげてみましょう。バングラデシュは繊維産業での成長を目指し、政府も海外から自国に仕事が集まることを歓迎したのですが、一方の労働者には長時間労働という過酷な状況が続いていました。その中でさらなる大惨事が起きてしまったのです。2013年4月に起きたバングラデシュの5つの縫製工場が入るビル「ラナ・プラザ」の崩壊事故で 1,100人以上の従業員が犠牲になりました。

事故前日にビルの壁や柱にひびが入っているのを発見した従業員らは工場の上長に報告し、地元警察でも「ラナ・プラザ」を検査するための退去命令を出したのですが、ビルのオーナーは問題ないと主張したため、誰も何も手立てはできませんでした。

そして上長は従業員に仕事に戻らなければ、解雇の可能性があると告げたため、解雇を恐れた従業員が翌日も通常通り出勤したその午前中、ビルが突然停電し違法に増築したビルの上層部に設置された発電機が稼働し、発電機の振動と縫製工場のミシンなどの機械の振動が共鳴して建物を揺らしたために、崩壊を引き起こされたのでした。

事故から1ヶ月後、世界中のアパレル企業が行動を起こしました。H&Mやユニクロなど20ヶ国以上のグローバル企業を中心とした220社が「バングラデシュにおける火災予防および建設物の安全性に関する協定(The Accord on Fire and Building Safety in Bangladesh )」に署名。

ウォルマートなどアメリカを中心とした企業では、「バングラデシュ労働者の安全のための提携(Alliance for Bangladesh Worker Safety)」を締結しました。

「ラナ・プラザ」の大惨事が世を動かし、今ではバングラデシュの縫製工場を使う世界中の企業では工場の安全検査を行って事故や火災を防ぎ、さらには労働環境の改善を目指しています。

消費者が何気なく購買する商品の裏には、弱い立場にある開発途上国の生産者の犠牲がある場合が考えられます。日常的に様々な商品を消費している国では、この現実を決して人ごとにしてはならないのです。商品ができるまでの詳細プロセスを知り、開発途上国を援助するために、フェアトレード商品を積極的に購入することも立派なエシカル消費といえます。

世界温暖化の脅威

世界温暖化の脅威

地球は太陽からの熱によって暖められます。そして暖められた地球から熱が宇宙に放出されるのですが、その放出される熱の一部を吸収し地表から熱が逃げすぎないようにしているのが温室効果ガスです。

地球の平均気温は14度ですが、温室効果ガスがまったく無いと太陽の熱が全て宇宙に向けてしまうために、地球の平均気温は何と氷点下19度まで下がってしまうと予測されます。

温室効果ガスは地球を暖かく保ち、生物が生きられる環境を作るため、地球にはならないガスなのです。しかし温室効果ガスが増え過ぎると、熱が地表にたまりすぎるので気温が上昇し地球全体の気候が想定外に変化してしまいます。これこそが地球温暖化なのです。

地球温暖化とは単に地球全体で、徐々に気温が上がっていくだけではありません。異常気象の発生する頻度が高まったり、嵐が強大化したりする恐れもありますし、経験のない異常気象が発生する可能性があります。また伝染病を引き起こす蚊などが、今までいなかった地域にも発生する恐れがあるため、経験したことのない新しいリスクに備える必要が生じるのです。

地球温暖化の原因は過剰な温室効果ガスの、特に二酸化炭素の大量の排出によるものですが、二酸化炭素の排出量が増えている原因の多くは、日本を含む数十カ国の先進国に住む人々が電気や石油を大量に使うことです。

そして温暖化の深刻な被害をすでに受けている人々の多くは、温暖化にほとんど責任のない、開発途上国にすむ人々。つまり地球温暖化は環境問題というだけでなく、貧困や格差を引き起こす問題でもあるのです。

地球温暖化に代表される様々な環境問題や社会問題の解決のために、2015年に気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定であるパリ協定 (Paris Agreement) および持続可能な開発目標(SDGs (Sustainable Development Goals)が採択されました。

パリ協定で定められた世界の平均気温の上昇幅を抑える目標や、SDGs (Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標) を達成するためには、より深いエシカル消費が求められることになったのです。

2050年までに1人あたりの年間資源利用量を5分の1に削減し、二酸化炭素の1人あたりの年間排出量を10分の1に削減するといった大きな取り組みが求められています。世界規模の取り組みを他人事と思わずに、消費者が二酸化炭素の排出の削減に努めることもエシカル消費です。

SDGsとエシカル消費

SDGsとエシカル消費

エシカル消費を日々の生活の中で実践すれば、国連開発計画(UNDP)が掲げるSDGsの17の目標のうち、目標12 (つくる責任、つかう責任) の達成に大きく貢献できます。そのほかにもフェアトレードの商品を購入で目標2(飢餓をゼロに)、目標5(ジェンダー平等を実現しよう)、目標8(働きがいも 経済成長も)、目標13(気候変動に具体的な対策を)、目標16(平和と公正をすべての人に)、目標17(パートナーシップで目標を達成しよう)の達成に近づくことも。

つまりエシカル消費を通じて、SDGsが消費者により身近なものになっていくといえるのです。

他にできることは

他にできることは

最後に一消費者がどのようにエシカル消費を推進していけばよいか考えてみましょう。すべてをエシカルに切り替えることは至難の業ですが、自分が特にお金をかけたいと思う分野のものから、小さくエシカル消費を心がけるという方法はどうでしょう。

オーガニックコットンなど自然素材の選択や、持続可能な森林認証などを目印に商品を購入するなら、さほど難しいことではありません。また企業やスーパーに「フェアトレード商品は置いてほしい」、「この製品の生産過程を知りたい」など依頼し続けるのも効果があるはず。

エシカル消費により人は地球環境や人、社会、地域に配慮した考え方が自然にできるようになります。今まで社会貢献なんて考えたことがなかった人が、知らないうちに実践していけば、今までと別の世界が見えてくると思いませんか。

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