10代女性がアプリ開発に挑む「CODEGIRL」など、IT業界で描かれたビッグピクチャー(映画3選)

10代女性がアプリ開発に挑む「CODEGIRL」など、IT業界で描かれたビッグピクチャー(映画3選)

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「ビッグ・ピクチャー」と聞いたときに、あなたはどんな事例を思い浮かべますか?

最近国内で話題になったところで言えば、ZOZOの前澤社長の「月旅行」プロジェクトや落合陽一氏の「デジタルネイチャー」ビジョンでしょうか。(2018年度、ZOZOは業績が悪化したようですが…)

人々が能力を発揮し歴史を前進させるために、ビッグ・ピクチャーはなくてはならない存在です。アイデアと情熱、そしてテクノロジーがなければ、ビッグ・ピクチャーを描き実現することはできません。

近年のテクノロジーの進化は産業革命以来の大変革と言われ、人々のビッグ・ピクチャーの実現に大きな影響を与えています。今回はテクノロジーの進化を活かしてビッグ・ピクチャーの実現に挑む、3つの映画をご紹介します。

目先の業務に追われて見失いがちな自分のビッグ・ピクチャーを取り戻せる、否、取り戻さざるを得ないような、ワクワクドキドキアドレナリンが止まらない3作です!

■10代女性がアプリ開発に挑むドキュメンタリー映画「CODEGIRL」

・「CODEGIRL」のあらすじ

「女性が経営する大企業は、ジョンという名前の男性CEOより少ない」

「CODEGIRL」は、そんな痺れる言葉から始まるドキュメンタリー映画です。舞台となるのは、世界中の10〜18歳の少女を対象にしたアプリ開発コンテスト、「Thechnovation Challenge(テクノベーションチャレンジ)」。2010年以来100を超える国々から23,000人以上の少女が参加している、世界規模のコンテストです。

参加者は「地域コミュニティの課題解決」をテーマにアプリを開発し、プレゼンテーション動画とともに応募。アプリ開発の技術だけでなく、課題解決のアイデアやプレゼンテーションのスキルも重視される、ビジネスコンテスト的なイベントです。最終的には6チームのファイナリストがアメリカでプレゼンテーションを行い、優勝チームには1万ドルの賞金が与えられます。

「CODEGIRL」では、様々な国のチームに密着。

途中で敗退してしまうチームもあれば、ビザ発給システムのトラブルで最終プレゼンへの参加が危ぶまれるチームも……。最終プレゼンには、ナイジェリア、インド、ブラジルから各1チーム、アメリカから3チームが選ばれます。一体、どのチームのどんなアプリが優勝に輝くのでしょうか。

・「CODEGIRL」の評価

コペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画祭(CPH:DOX)を始め、5つの映画祭でオフィシャルセレクションにも選ばれた名作で、国内外の映画レビューサイトでも高い評価を得ています。以前は日本でもネット配信で観られたようなのですが、現時点での視聴方法は残念ながらDVD購入のみ……。字幕は日本語をはじめ21の言語に対応していて、製作者の本気を感じます。

・「CODEGIRL」の名場面

引用:「CODEGIRL」http://www.codegirlmovie.com/

「今では周囲に問題を見つけると”アプリで解決できる
”そう思って周りを見回し、問題を解決する方法や技術の
実装方法を考えるのが楽しいんです」

これこれ!ビッグ・ピクチャーの「原体験」ってこういうのじゃありませんか?彼女のイキイキした表情からも夢中さが伝わってきますよね。

ちなみに彼女たちは、登録者同士で褒め合うソーシャルメディアアプリを開発し、学校生活で孤独を感じる学生を減らそうと奮闘しています。

引用:「CODEGIRL」http://www.codegirlmovie.com/

「最終的には、自分を見つけることに戻るのです。
自分が何に秀でているか、どんなことに夢中になれるか、
成功の秘訣はそれだけなのです」

映画の中で説明がないため詳細は不明ですが、おそらく最終プレゼンのために集まったファイナリストが、女性技術者の講演に参加したときの一コマでしょう。真剣に聞き入る少女たちの表情が、非常に印象的なシーンです。

自己分析と言えば、最近では「メモの魔力」(前田裕二著)の巻末付録である自己分析1,000問が話題になりましたね。私達大人も、自己分析に立ち返ると道が開けるかもしれません。

・「アプリで課題を解決できる!」そのワクワクに性別も国籍も関係ない。

日本ではマイナーな映画ですが、起業家、マーケター、プログラマーなど、ITビジネスに関わる全ての人がピュアなワクワクを思い出すことができる素敵な作品です。一方で、様々な問題に気付かせてくれる作品でもあります。

まず、Thechnovation Challenge開催のきっかけにもなっている、女性の起業家や技術者の少なさ。「女性が率いるテクノロジー新興企業は7%」「女性のアプリ開発者は100人に4人」というデータが作品中にも出てきます。2018年版ジェンダーギャップ指数で、日本はG7中最下位の110位。医学部入試差別が社会問題になるなど、世界的に見ても女性差別が根深い国で、まさにこの問題の当事者です。

また、「地域コミュニティの課題解決」というアプリ開発のテーマから、環境の格差も浮き彫りになります。例えば、メキシコのチーム「Tech Voca」は、女性が暴力を受けていることに「気付く」ためのアプリを開発しました。

あまりにも日常的に暴力に晒されているので、それが当たり前のことになってしまい、自分が暴力を受けていることに気付かない女性が多いというのです。モルドバの「Team Health in a Drop」のメンバーが通う学校では、生徒の65%が井戸水のせいでA型肝炎にかかっています。

それを解決するために、「Team Health in a Drop」は安全な井戸水を探すためのアプリを開発しました。こうした差別や格差は悲しいことではありますが、ビジネスチャンスと捉えることもできます。コンテスト終了後も、いくつものチームがアプリ開発とビジネス化を進めていました。それぞれの課題は、彼女たちの手で健全なビジネスとして解決されていくことでしょう。ビジネスの原点は、困っている人の役に立つこと。

この映画を観れば、ITビジネスの可能性について、今までよりも高い視点を得られるはずです。

 

■ジョブズとゲイツの激烈バトル!「バトル・オブ・シリコンバレー」

・「バトル・オブ・シリコンバレー」のあらすじ

物語は、同じ1955年に生まれたIT業界のスーパーヒーロー、スティーブ・ジョブズとビル・ゲイツが無名の学生だった頃からスタート。切磋琢磨……と呼ぶにはあまりにも泥臭く熾烈すぎる戦いを経て、スティーブ・ジョブズがアップル社に戻り、ビル・ゲイツが長者番付でトップになった時点までを描いています。

アーティスティックでカリスマ性溢れるスティーブに、一生懸命食らいついていくNerdで冴えないビル……というウサギとカメ的演出が多く、思わずビルを応援したくなる作り。コミカルな部分が多くテンポ良く進むので、ただでさえ短い97分がさらにあっという間に感じられます。

1999年にアメリカで製作された作品で、テレビ映画として発表された後に劇場公開やDVD販売、ネット配信も行われているという隠れた名作です。ドキュメンタリー風に作られていますが、あくまでフィクションということになっています。

・「バトル・オブ・シリコンバレー」の評価

「バトル・オブ・シリコンバレー」は、プライムタイム・エミー賞の作品賞 (テレビ映画部門)にノミネートされています。プライムタイム・エミー賞は、主に夜間のプライムタイムの番組を対象としたエミー賞のカテゴリで、非常に知名度の高い賞です。

2019年1月31日現在アマゾンプライムビデオでは「現時点では、コンテンツプロバイダーとの契約により、このタイトルを購入できません」と表示されており、視聴することができません。面白い作品なので、ぜひ配信を復活させてほしいですね。

筆者はTSUTAYA DISCASでレンタルしました。(安くて便利で結構いいっすよ!)

・「バトル・オブ・シリコンバレー」の名場面

引用:「バトル・オブ・シリコンバレー」https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=3285

「海軍より海賊になれ」

ビルがアップル社を訪ねると、ドクロマークの海賊旗がいたるところに飾られています。その意味を問われたプログラマの答えは、「海軍より海賊になれ」。

スティーブやアップル社のやり方はまさに海賊。品行方正でキレイなやり方だけではありません。これを聞いたビルも海賊になるのでしょうか……?この言葉は、スティーブの有名な言葉である「Stay hungry, stay foolish」にも通じるような気がしますね。

ちなみに、この映画の原題は「Pirates of Silicon Valley」、つまりシリコンバレーの海賊。タイトルの意味が回収される重要なシーンです。当時のシリコンバレーの熱気や熾烈なアイデアの奪い合いは、まさに大航海時代の海賊。日本でも原題のままで行ってほしかったなと個人的には思います。

引用:「バトル・オブ・シリコンバレー」https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=3285

「理想を追いすぎて足元を見てない。今に失墜するぞ」

アップル社を訪問し、スティーブと話したあとのビルの一言。この後ジョブズはアップル社を追い出されます。

ここまでイマイチ頼りない感じで描かれ、スティーブにも散々小馬鹿にされたビルですが、鋭い洞察力を持ち合わせていたことがわかるシーンです。

・歴史を変えた”愛すべき海賊たち”から何を学ぶか

「スティーブはクレイジーなカリスマで、ビルは比較的常識人」的なイメージが強いですが、運転シーンやDOSの件などを見るとビルもなかなか「ヤバい奴」だったようですね。(DOSは後にきちんとお金を支払っていますが)

今では圧倒的な地位を築いている2人が、あそこまでなりふり構わずバトルを繰り広げていたと思うと、我々も余裕こいていられないなと身が引き締まります。アイデアを盗むのはさすがにお勧めできませんが、彼らから多くのことを学べる映画です。特に日本では前例主義などにとらわれて、スピード感が軽視されているのではないでしょうか。

グローバルビジネスの現場では「日本企業は意思決定に時間がかかりすぎる」と海外企業に敬遠されるケースもあるようですし、「PDCAは変化が激しい現場には不向き」という見方が強まり、OODA(ウーダ)などの新しい手法が注目を集めていますよね。

また、「バトル・オブ・シリコンバレー」はミクロで見るとスティーブvsビルの戦いの物語ですが、マクロで見ると大きな歴史の転換期を追体験できる作品でもあります。この2人のおかげで、私達は”パーソナル”コンピュータやスマートフォンを使って世界中の人と同時にコミュニケーションを取ることが可能になり、情報伝達に革命が起こりました。

本当に、この愛すべき海賊たちには感謝しかありません。

 

■「スティーブ・ジョブズ」- 稀代の天才が伝える、世界を変える方法とは?

・「スティーブジョブズ」のあらすじ

先程ご紹介した「バトル・オブ・シリコンバレー」はスティーブ・ジョブズとビル・ゲイツの物語でしたが、こちらはスティーブに焦点を当てた映画です。1970年代の学生時代から、2012年09月にアップルの株式時価総額が世界一になった時点までを描きます。

公開時には、スティーブ・ジョブズを演じるアシュトン・カッチャーの完コピぶりが話題になりましたよね。容姿や仕草のシンクロ率も半端ないですが、特に印象的なのは目。僅かなシーンを除いてずーっと目が据わっていて、熱気と狂気が伝わってきます。

やっぱり「ヤバい奴」って目が据わってると思うんですよ。それが良い意味でなのか悪い意味でなのかは、ぜひ作品を観て確かめてください。

・「スティーブジョブズ」の評価

2013年サンダンス映画祭でクロージング作品として上映されるなど、話題を集めた作品です。レビューサイト等でも概ね高評価を得ています。

・「スティーブジョブズ」の名場面

引用:「スティーブ・ジョブズ」https://www.gaga.co.jp/cinemas/detail/725

「マック開発は手に負えない。常軌を逸している」

横暴な言動を連発しLisaの開発チームを追われたスティーブは、マッキントッシュの開発にのめり込んでいきます。予算をつぎ込み開発期間を延長、発売は延期され販売価格も上げざるを得ない状況を見て、アップル社の役員が吐き捨てるように放った一言です。

スティーブを追放したアップル社は、その後業績が悪化。再度スティーブを迎え入れ、アップル社は株式時価総額世界一の企業へと成長します。

普通のことをやっても普通の結果しか出ない、世の中を変えるなら常軌逸してなんぼ、ということなのかもしれません。

 

引用:「スティーブ・ジョブズ」https://www.gaga.co.jp/cinemas/detail/725

「クレイジーな人に乾杯。(中略)
彼らは物事を変え、人類を前進させる。
クレイジーに見えるが、天才だと思う。
世界を変えられると本気で思う人間が、世界を変えるのだから」

映画のラストで語られるスティーブのメッセージです。

役に立たないと判断した人間は容赦なく切り捨ててきたスティーブですが、バックには共に戦ってきた仲間たちの映像が流れ、彼らへの感謝の気持ちが伝わってきます。

いまだに世界中の人々を熱狂させるアップル社。その影響力は、IT業界人だけでなく一般人や経済界にまで拡がり続けています。熱狂をつくりだす人は、文字通り”狂っている”のかもしれません。

実現したいビッグ・ピクチャーがあるならクレイジー上等

周りからの視線や評価は気にせず、自分がやりたいことに注力するべきでしょう。でもやっぱりクリスアンやリサ、そしてウォズは不憫でしたね……。完璧を求めるのは酷かもしれませんが、大切な人の存在だけは忘れない方がいいと個人的には思います。

・スティーブ・ジョブズは、一体何の天才だったのか?

2011年スティーブ・ジョブズが亡くなったとき、Twitterの元CEOであるディック・コストロは「極稀に、ただそのレベルを押し上げるだけではなく、完全に新たな指針を作り上げる人がでてくるものだ」とコメントしました。

これは、スティーブ・ジョブズが「何の天才であったか」を的確に表現しています。スティーブ・ジョブズは、技術開発や経営、デザイン、マーケティングの天才である以上に、新たな指針(new standard of measurement)を創造する天才でした。

映画の中でも、今までの常識をぶち壊し、新しい価値観を創造する名言を連発します。

「一生砂糖水を売るのか?僕と世界を変えないか?」
(ペプシコーラで成功を収めていたジョン・スカリーを、アップルに引き抜いた名台詞)

「我々はコンピューターでできることを売り込む。心のツールだ。そしてそのツールには限りがない」
(まさに「ドリルを売るには穴を売れ」的発想!)

「学校の教師や清掃員や、子供や田舎のおばあちゃんがユーザーだ。だからシンプルである必要がある。例えるなら家電製品だ」
(今では当たり前の感覚ですが、当時コンピュータを家電に例えるのは相当画期的だったはず)

などなど、とにかくメモを取る手が止まりません。

また、作品中ではスティーブ・ジョブズのルーツとして、ヒッピー文化への心酔やカリグラフィーへのこだわりなど、IT技術だけに留まらない多彩な分野への興味が描かれています。仕事に直接関わる分野だけでなく、アンテナを広く張って貪欲にインプットを続けることも、きっと将来役に立つはず。

スティーブ・ジョブズも、スタンフォード大学の演説で「点と点をつなげる」重要性について語っています。

 

まとめ|自分が信じる道を、自分が思う以上のスピードで走って行く

3作の登場人物、特にビッグ・ピクチャーを実現させたスーパーヒーローのスティーブ・ジョブズとビル・ゲイツについて、どんな印象を抱きましたか?

異端児、奇人、変人、狂人、常軌を逸したヤバい奴……といったところでしょうか。周りにいる人はちょっと大変かもしれませんね。本人も、周りから思うような理解が得られず、苦しんでいたかもしれません。

ここで、少し個人的な話をさせてください。

筆者は牡羊座なのですが、2019年上半期のしいたけ占いにこう書いてありました。

“あなたは、今の自分が時速200㎞のスピードで成長できるとしても、自分が恩を感じる人や、自分を迎え入れてくれた人が時速50㎞のスピードで進んでいると、そこに合わせて自分の速度を落としていってしまうことがあります。

この上半期において、あなたのその「やさしい姿勢」は必要ありません。”

これ、結構思い当たる方がいるのではないでしょうか。

しいたけさんは続けます。

“自分を解き放って。

自分を解き放って、自分のスピードで走り、自分がワクワクすることをやっていくこと。”

もし、スティーブ・ジョブズが周りの言うことを聞いて妥協していたら?ビル・ゲイツがはったりもかまさず海賊にもならず、お行儀良く開発を続けていたら?CODEGIRLに出てきた少女たちが、「女性の起業家やプログラマは少数派」「プログラミングは男性の仕事」といった現状や思い込みにとらわれてテクノベーションに挑戦しなかったら?

彼ら・彼女らは、自分らしい人生を送ることができなかったのではないでしょうか。そして、世の中の多くの人が、革新的な商品やアイデアに出会えなかったはずです。

もうね、あなたの減速は世界の損失ですから。

自分の道を自分が思う以上のスピードで走っていきましょう。

 

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ちはる

この記事のライター

chiharu3939

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